ふんどしの基礎知識

六尺ふんどしの入手法

1. 購入方法

六尺ふんどしはまず百貨店や呉服店等では市販されていません。従ってネット通販等で入手することになります。ネット通販で六尺ふんどしを販売している業者は無数にあるのですが,ここでは代表的な2社を紹介します。

  1. 褌屋(外部リンク):京都に本拠を置く,ふんどしのネット販売の老舗的存在。品質は非常に高いと定評があるが,その分納期遅めと言われている。
  2. 九州屋(外部リンク):北九州地区に本拠を置く,これも大手の販売業者。品質は良好。納期は非常に早く,また楽天のショップなのでクレジットカードが使える。
いずれの業者とも,定番の晒(さらし)生地はもとより,色,柄とも多数取り揃えており,細かいサイズオーダーにも応じてくれます。価格は1枚1,000円台から。また,いずれの業者とも品名に「ふんどし」と書かずに送付してくれるなど,細かい配慮も行き届いています。

どちらの業者を選ぶかですが,個人的には,「味が最上級で行列のできるラーメン屋に並ぶ」か,「味は最上級ではないかもしれないが並ばず食べられるラーメン屋に行く」かで選べば良いと思います。要は好みの問題です。ちなみに私はせっかちなので後者派です。

2. 自作方法

しかし,こと六尺ふんどしに関しては,わざわざ仕立て上がりのものを購入しなくても,自作すればはるかに安価に入手できます。一般的な白色のものでしたら「晒(さらし)」と呼ばれる小幅の木綿布を購入して切って作れば済みます。晒は呉服店,スーパーのベビー用品売り場(赤ちゃんのおむつ用の布地として販売されています),意外なところで薬局などでも販売されています。もちろんネット通販でも入手可能です。価格は1反(約10m)1,000円ほどです。

これを4等分して2.5mずつにすれば,1反から4本取れますので,1本250円ほどで済みます。ちなみに2.5mあれば普通体型の成人にはちょうどフィットします。太めの方は3等分して約3.3mずつにすれば十分な長さでしょう。余れば切れば良いのです。幅は好みによって,全幅,2/3幅,半幅にします。全幅とは小幅の布地(晒など)の文字通り全体の幅で,晒の場合約34cmです。2/3幅は約34cm×2/3=約22.5cm,半幅は約34cm×1/2=約17cmです。個人的には全幅か2/3幅をおすすめします。幅を縮めるには,布地を2/3幅または半幅に切ります。切り方は,端に少し切れ目を入れて裂いていくと簡単に切り裂けます。この方法が乱暴だと思えばハサミで丁寧に切ります。ハサミが苦手であれば,ロータリーカッター(外部リンク)というものもあるようなので試してみると良いかもしれません。ちなみに4等分,半幅で作れば1反の晒から8本作れ,1本当たり約125円で作れます。

布地を切ると,洗濯した際などに糸がほつれてきますが,ある程度ほつれるとそれ以上ほつれなくなります。また,ほつれた糸が他の洗濯物に絡んで困るという場合には,ネットに入れて洗濯すると良いでしょう。

色,柄物については以下の通りです。色物は,新毛斯(新モス)と呼ばれる小幅木綿布を使用して作るのが一般的なようです。これは晒よりきめの細かい木綿布で,呉服店や大きい布地専門店(東京ならユザワヤなど)で入手できます。これもネット通販で入手できます。全幅は晒より広く約36cmほどあります。2反に相当する1疋(ぴき)単位で売られることが多いようですが,お店によっては切り売りもしてもらえるようです。価格は1疋あたり3,000円~4,000円程度,色は定番の赤をはじめ,10色以上のバリエーションがあります。なお,新毛斯は京都で染色されることが多いようですが,原反は中国製だったりすることもあるようなので,純粋に日本製の新毛斯を入手するのは意外に困難かも知れません。

なお,新毛斯は新しいうちは特に色落ちが激しいので,他のものと一緒に洗濯しないようにしてください。

柄物は,祭り用品店などで手ぬぐい用生地を適当な長さに切ってもらって作ります。いろいろな柄があるので,好みのものを選んでください。

余談ですが,六尺ふんどしの長さは両手を広げた長さの1.5倍が基準とされています。もしお子さんに六尺ふんどしを作ってあげるときは参考にされると良いかも知れません。

六尺ふんどしの締め方

ここでは,水褌(すいこん)と呼ばれる,水泳用の六尺ふんどしの締め方を紹介します。なお,イラストは赤ふんですが,当然のことながら白ふんでも締め方は同じです。

【ステップ1】
ふんどしの一方の端(イ)を肩にかけ,もう一方の端(ロ)で股間を覆い,股間を通して後ろへまわします。当然ながら実際には手で押さえます。
【ステップ2】
股間を通ってきた(ロ)を,お尻を斜めに横切らせながら腰にまわし,(イ)の上を横切らせ,腰回りを上から見て反時計回りに一周させます。(イ)は肩にかけたままです。
【ステップ3】
(ロ)を,お尻を横切っている布地に内側から引っかけて反対方向に引っ張ります。
【ステップ4】
(ロ)を,横まわし(ベルトのように腰に回っている布地)にはさんで仮止めします。
【ステップ5】
肩にかけていた(イ)をおろし,前に垂らします。
【ステップ6】
(イ)を股間を通して後ろにまわします。そして(ロ)の仮止めを外します。
【ステップ7】
(イ)(ロ)を,後ろから見て(イ)が左側,(ロ)が右側になるようにして交差させ,左右にしっかり引っ張って引き締めます。
【ステップ8】
(イ)(ロ)を横まわしに下から上に巻き込んでいきます。
【完成1】
後ろから見た図。
【完成2】
前から見た図。前袋(前の三角形の袋)はしっかり広げて整えておきましょう。