「ふんどし」と聞いて,人は何を連想するのでしょうか。時代遅れ,格好悪い,軍国主義,ゲイ・・・,ネガティブなイメージを連想する人が多いのではないでしょうか(注:ゲイが悪いという意味ではありません)。あるいは,「ふんどし」って何? という人もいるかも知れません。逆に,格好いい,男らしい,といったポジティブなイメージをもつ人もいると思いますが,残念ながら少数派のようです。
しかしながら,実際にふんどしに接してみて,実際に着用してみると,そのイメージは一新されるでしょう。快適で,健康的であり,何より「用の美」からくる格好良さがあります。また,日本の古き良き伝統であり,未来に継承していかなくてはならない大切な文化遺産でもあります。
本サイトを設立した趣旨の第一点は,このように優れた点をもち,日本の良き伝統であるふんどしのイメージアップを図りたい,というところにあります。そのための媒体としてはウェブがもっとも適していると考えました。ウェブを通して,読者の皆様とのインタラクティブな交流を図り,サイトの目的を果たしたい,そのために設けたのが「ふんどしのアンケート」です。主にふんどしを実際に経験した方を老若男女を問わず対象とし,その感想をアピールしていただきたいと思います。
趣旨の第二点は「ふんどし文化の研究」にあります。今,国立国会図書館のデータベース(NDL-OPAC)で「ふんどし」(「褌」,「フンドシ」でも同じこと)の文献を探してみてください。雑文はいくらでも出てきますが,学術的な研究が極めて少ないことに驚かれると思います。服飾史という観点だけでなく,風俗史や社会学的,教育学的な観点からも多様な研究が可能であるテーマであるにも関わらず,世の研究者たちは「ふんどし」をテーマに研究を行ってきていません。おそらく「ふんどし」など研究していては学界の笑いものになる,とでも考えているのでしょう。
こうなれば,我々在野の研究者の出番です。特に急がれるのが,ふんどしがまだ現役であった時代,すなわちふんどしが下着や水着として普通に用いられていた時代を生きてきた人々の証言を書きとどめ,後世に残すことです。ふんどしが現役であった時代を生きた人々は,おそらく今60代後半を超えているでしょう。かれらが存命中に,何としてもふんどしに関する証言を集めねばなりません。当サイトでは現在準備中ですが,ふんどしが現役であったころを生きた人々から,直接または間接的に,ふんどしに関する証言を集める仕組みを作りたいと思います。
また,ふんどしは基本的に1枚の布を身にまとうものですが,その締め方には細かいことを言えば様々なバリエーションがあります。六尺ふんどしの場合,日本泳法の流派によってバリエーションがあるようです。また,いわゆる裸祭においても,地方によって用いられるふんどしの種類や締め方が異なると思われます。それらについても調査研究していけたらと考えています。
かような目的を持って設立されたサイトですが,けっして堅苦しいサイトにしたいとは思っていません。老若男女を問わず,ネットサーフィン中に気楽に立ち寄れるような気軽なサイトにしたいと考えています。読者の皆様のご指導,ご鞭撻をどうぞよろしくお願いします。
なお,「ふんどし研究会」というのは本サイトの名称であり,実在する団体ではありません。もちろん,将来的に「同志」が集まれば本物の「会」にしたいと考えていますが,現在のところは主催者「ふどし」が個人で運営するサイトとなっております。
2010年7月23日記