今,特に若い女性を中心に,ふんどしを着用する方が増えつつあるといいます。「ふんどし女子」というそうです。下着をふんどしに変える方,夜寝るときだけふんどしを着用される方,など,パターンはさまざまなようですが,従来「男の下着」と思われてきたふんどしが,女性の間で受け入れられてきて,それに呼応するように女性向けのふんどしが数多く商品化されてきています。ここ数年の傾向です。
本サイトでは,2010年に開設以来,「ふんどしのアンケート」の中で,女性の間でふんどしがブームになってきているがそれについてどう思うか,ということをお尋ねしてきました。その結果,統計的にはまだカウントしていませんのでざっとみた印象ですが,男性回答者のうち,女性のふんどし着用に不快感を示す回答は半数以下で,過半数の回答は女性のふんどし着用に好感をもっているらしいことがわかりました。
確かにふんどしは,日本では,一部の例外を除き男性の伝統的下着であり表着です。しかし,ふんどしも文化である以上,時代の趨勢とともに文化変容を起こすことは免れ得ないと私は思います。福岡県の博多に「博多祇園山笠」というお祭りがあります。法被に締め込み姿の男衆が,山笠(やま)と呼ばれる山車を担いで市中を走る勇壮なお祭りです。このお祭りでは,もともと裸に締め込み姿が正装だったのだそうです。しかし明治になって,風紀上の問題から法被を着用するようになり,今の装束になったといいます。また,山笠も,もとは背の高いきらびやかに装飾された山笠を担いで走っていたのを,市中に路面電車の架線が敷設されたためにそれができなくなったので,新たに背の低い「舁き山笠」というものを作り,従来のものは「飾り山笠」として奉納する現在の形式になったのだそうです。このように,山笠というお祭り一つとっても,博多の町衆の人々は,祭りを守り続けるために,時代の趨勢に合わせて柔軟に形を変えてきています。それは一種の文化変容であると言えると思います。
従って,ふんどしという文化を次世代に伝えるためには,ふんどしを成人男性だけのものとする伝統にこだわるのではなく,女性や,別ページでも触れますが子どもたちにも着用してもらい,ジェンダーや年齢層の垣根を超えた,幅広い人々で共有できる文化に発展させることがあって良いと思うのです。また,実際にそうなってきています。それは日本のふんどしにとって好ましい文化変容ではないでしょうか。
もっとも実際には,後の事例をご覧になればわかるように,今日の女性用ふんどしは,女性の好みに合わせて独自に発展を遂げたデザインになっており,その意味では,伝統的な男性用ふんどしとは住み分けができているようにも思えます。男性向けふんどしをそのまま女性が着用するケースは案外少ないのではないでしょうか。
では,なぜ女性がふんどしに着目してきたのか,その理由をネット上の情報をもとに探ってみましょう。
以上, http://matome.naver.jp/odai/2144011632783216801 の記事を参考にしました。(2015/12/28閲覧)
私は男性ですから,実際に女性用ふんどしを手に取ってみるわけにはいかないのですが,女性用ふんどしを販売しているサイトをいくつかご紹介しておきます。(順不同)
ふんどし研究会は,ふんどし女子を応援します。女性の方からのご意見をお待ちしております。お便りは,読者の広場のページまで。