ふんどしの証言

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証言番号

証言 31: 2017/02/14
ハンドルネーム
けも
年齢 性別 職業 居住地
19歳 男性 大学生 東京都
表題
ふんどしの日と女性の褌事情
本文

みなさんは2月14日は何の日かご存知ですか?多くの方がバレンタインと思うかと思いますが、この日はふんどしの日でもあるのです(日本記念日協会に正式に認定されています)。このふんどしの日を作った(申請した)「一般社団法人ふんどし協会」というところが毎年2月14日前後の期間にふんどしフェアというものを行い、色々な柄のふんどしを販売しています。女性のふんどし人気に着目し、若い女性がターゲットなので、柄も女性向けの物が多いです。そのふんどしフェアに、知り合いのA氏と、私の越中褌姿からふんどしに興味を持った女の子2人を連れて行ってきました。

今年の開催場所は池袋そごう百貨店の婦人下着売り場。ターゲット層が女性ということなので、売り場は案の定ほぼ女性しかいませんでした。売り場には越中ともっこの女性に人気の高い2種類が置いてありましたが、私の越中ふんどし姿から興味を惹かれた女の子達は自然と越中ふんどしの売り場へ足を運びました。越中だけでも沢山の種類があり、ポップな色と柄の物や、無地でも紐と布で色が違ってオシャレなものなど、女の子が好きそうなラインナップでした。商品を見て女の子達も「ふんどしってこんな可愛い柄のもあるんだ!」や「ふんどしは男の人がするものって印象なくなった」など、好印象を持ったという意見が得られました。約20分ほど品定めをし、女の子達が買ったのが、それぞれ「ネイビー色にカラフルな水玉模様の越中」と「水色にコスモスに似た白い花が散りばめられた越中」でした。とても可愛らしく、何というか男でも「これ女の子は好きそうだな」と感じるような女性らしい越中でした。

この日はそのままA氏の自宅へ向かい、4人で鍋を囲い楽しく夕食を済ませた後、みんなでA氏宅のお風呂に入りました。もちろん服を脱ぐことになるのですが、ズボンを脱いだ際、私の「白地に水の流れや金魚が描かれた越中」とA氏の「真っ白な白越中」を見た女の子が「やっぱ男女で好みって変わるんだね…」と呟き、やはりふんどしについても男女の嗜好の違いというのがあるのだと感じました。私とA氏はいつも越中は風呂に入った時に洗うので、浴室に2枚の越中を持ち込むと、女の子が率先して洗ってくれたので、お返しに背中を洗ってあげたり、楽しい時間を過ごしました。

風呂から上がると、女の子は買ってきた越中を締め、私達はコンドームポケットのある貞操ふんどしを締め、全員ふんどし一丁で寝室へ向かいました。流石に寒いので少し高めに温度設定して暖房をつけ、A氏のダブルベッドで少々狭かったですがみんなで寝ました。ですが、「貞操ふんどししてるって事はこういう事だよね?」と女の子達が私達の前袋を触ってきました。この時、貞操ふんどしには「YesNOマクラ」のような使い方が出来ると感じ、ますますこの貞操ふんどしが有能だと思いました。されてばかりも悪いので、こちらも女の子の越中の上から愛撫、前戯を楽しみました。全員イイ感じになったところで、女の子が動いたので、ふんどし脱ぐのかな?と思っていると、女の子が自身の前袋の部分をズラし、挿入してと催促してきました。私はいつもセックスをする際は、前袋から横チンスタイルで挿入しているのですが、それを前から見ていたので、真似したくなったらしいのと、女の子達からしたら、ふんどしでセックスするのは着衣プレイをするのと似た感覚らしく、少しながらふんどしに性的興奮するから締めたまましたい、とのことでした。女の子からしたらふんどしでセックスするのは着衣プレイに似たものなのだと知り、驚きました。もちろん私達は了承し、男は横チンスタイルになると、本当にサービス精神旺盛な子達だったので、女の子がコンドームを装着してくれて、全員越中ふんどしを締めたまま、挿入しました。やはり動いているとふんどしは解れてくるので、相手のが解れてきたら直してあげたり、A氏と代わってもう1人の女の子とも交わったり、疲れたら相手の女の子と越中を交換して締めて交わってみたりもしました。

しばらくして限界が近くなった私は、女の子が絶頂に達したのを確認してから女の子とA氏に断りを入れ射精。A氏達はまだお楽しみ中だったので、先に片付けようとコンドームを処理していると、女の子が私の汚れたペニスを口を使って綺麗にしてくれた後、彼女の前垂れでペニスを綺麗に拭き取ってくれました。私もそれを真似て彼女の股を自分の前垂れで拭いてあげました。後戯を行っていると、隣も絶頂を迎え、同じように後戯を行っていました。その後は越中を締め直し、就寝しました。

朝になると、案の定全員ふんどしが解れてあられもない姿になっていて、朝勃ちしていた男二人のペニスを女の子が触ってきたが、体力的に限界だったので断念、そのまま服を着て朝食を食べに行き、解散しました。

運営者より
けもさんこんにちは。いつの頃からか,2月14日は「ふんどしの日」(日付の語呂合わせが2=「ふん」,14=「どし」になることから)と呼ばれるようになりました。偶然にもバレンタインデーと重なり「ふんどしをバレンタインギフトに」といったキャンペーンもあるようです。そういった中,デパートで行われた「ふんどしフェア」に行ったレポートを投稿してくださいました。女性向けにさまざまなデザインの褌が売られていること,それに接すると若い女性でも褌に好印象を持つこと,そして同じ褌でも男女でデザインの好みが異なること,など興味深いですね。夜のお話も,若者らしい性行動が率直に描かれていて,いやらしくなく,また「貞操ふんどし」というアイテムが,性交渉OKのサインになるなど,面白いこともわかって楽しかったです。ご投稿ありがとうございました。また楽しいお話をお聞かせください。今後ともよろしくお願いします!


証言 32: 2017/03/04
ハンドルネーム
海どじょう
年齢 性別 職業 居住地
66歳 男性 年金生活者(兼団体職員) 山口県
表題
褌の自分史14 (中学2年の水泳訓練 (1) )
本文

中学2年生の時の水泳訓練は、1学期の期末試験が済んだ翌週、月曜日から金曜日までの5日間に、通常の2時限分90分を1回として、4回行われました。とにかくこの5日間で4回の水泳訓練を行わなければいけないので、暴風雨でなければ雨天で多少水温が低くても、1・2時限目から水泳訓練が強行されていました。

2年生になって最初の水泳訓練は、7月13日(月)の3,4時限目、39年度最初の訓練として行われました。この日はどんより曇っていて、今にも雨が降り出しそうな空模様だったので、六尺組と赤フン一本で泳ぐことにしている白帽組3人は、屋上で赤褌に着替えるのはあきらめて、C組の教室で着替えることにしました。2年生の教室は、2階と3階に2クラスずつ別れていたので、水泳訓練の時も、C・D組の男子はC組の教室で、女子はD組の教室で着替えることになっていました。

C・D組男子44人のうち2/3は『水泳パンツ着用許可願』を提出していたので、本来の指定水着である赤六尺褌を締めた後で、上に黒ナイロンの競泳パンツを穿こうとしていました。赤褌だけで泳ぐことにしていた六尺組12人と白帽組の3人(以下「赤フン組」という。)は、手慣れた手つきでサッサと褌を締めてしまい、水泳パンツ組がモタモタと褌を締めるのを見ていました。水泳パンツ組は、上に水泳パンツを穿くのだからと油断しているのか、半数以上の者がいい加減に褌を締めていてました。私たち赤フン組は、人ごとながら心配になって、「あんな締め方で大丈夫か?まあ、上に水泳パンツを穿いているから、あれでもいいのかな。」とささやき合いました。

むしろそこにいるC・D組男子の間で話題になっのは、全員が多かれ少なかれ生えそろって来た陰毛が、赤褌の前袋の脇からどのくらいはみ出しているかということでした。特にC組のKmくんは、1年生の時から体毛が濃くて全員の注目の的だったのですが、それが2年生になってえますます濃くなっていて、全身毛むくじゃら(今の大相撲の高安関みたい)で、赤褌の前袋から黒々とはみ出している陰毛と、太腿から腹にかけての体毛が一繋がりになっていて、周りにいた級友全員がおもわず「うぉ~、Kmの毛はすごいな!」とどよめいてしまいました。これにはKm君も恥ずかしく思ったようで、大急ぎで黒ナイロンの競泳パンツ穿いていました。

実は、私たち15人の赤フン組は、6月上旬に赤褌一本になってプールの掃除をしたときに、全員褌の前袋の脇から多かれ少なかれ陰毛がはみ出していて、それに気付いた体育教官のH先生から、

「君たち、全員チンコの毛がフンドシの脇からはみ出しているぞ。今は仲間だけだから気になるまいが、女子と一緒の時に指摘されたら、結構気になるかもしれんな。心配な者は、はみ出している毛だけハサミで刈り詰めておけ。わしが見たところでは、今くらいのはみ出し方なら、わざわざ刈り詰めることもないと思うがな。」

と教えられていたので、毛が濃かった半数くらいの者は、一応前袋の脇からはみ出さないように陰毛を刈り詰めていました。

2時限目と3時限目の間の休み時間は15分しかないので、赤褌を締め終わった赤フン組15人は体育館に行こうと教室を出ました。1階に降りる階段のところで、A・B組の赤フン組12人と出会いましたが、彼らは全員陰毛を刈り詰めているようで、赤褌の前袋の脇から毛がはみ出している子はいませんでした。

体育館に行ってみると、私たち赤フン組27人が一番乗りでした。体育館の入り口で待っておられた教務主任のM先生とB組担任のI先生は、赤フン組の人数が2年生男子の1/3くらいなのを見て、少し顔をほころばせながら、「今年も赤フンドシだけで泳ぐ者がこれだけいるのか。今年の2年生はなかなか見所があるな。これなら、夏休みの臨海水泳訓練でも、みっちり鍛えることが出来そうだぞ。」と話し合っていらっしゃいました。

少し遅れて、C・D組の女子がぞろぞろと体育館に入ってきました。クラス別に並んでいる私たち赤フン組を見て、彼女たちは、

「今年も赤フンドシだけで泳ぐ男子が、こんなにいるんだ。あんな紐みたいな赤フンだけで泳ぐなんて、すごいわね。恥ずかしくないのかしら?去年は、フンドシが外れてフリチンで泳いでいる子がいたわよね。赤フンだけの子は、フンドシが外れても平気なのかしら?」

と、小声でささやき合っていました。

水泳パンツ組の男子全員が、3時限開始のチャイムが鳴る前に体育館にやって来たので、いつもは厳しい教務主任のM先生も特に何も言われず、人員点呼と水泳訓練に関する簡単な説明の後で、すぐに水泳体操が始まりました。

水泳体操が終わると、体育主任のH先生は、

「それでは、D組から順にプールに行ってもらう。今年からプールの入り口にシャワーが設けられたので、入り口で50数える間シャワーを浴びてからプールサイドに入るようにしてくれ。プールサイドに入ったら、自分で判断して初級、中級、上級の各区画に行って、区画担当の先生にクラスと名前を申告してくれ。ただし、今年は訓練を始める前に、全員の泳力試験を行って、泳力不足の者は下の級に落とすからな。反対に、初級と中級の主任指導教官が1級上でも十分やっていけると判断した者は、一つ上の級で泳がせることもあるから、そこを十分考えて所属する級を決めてくれ。」

と、追加の指示をされました。

2年生全員がシャワーを浴びてからプールサイドに入り、プールを横にコースロープで3等分してある上級、中級、初級の各区画に分かれたところを見ると、男子は上級3割、中級4割、初級3割に、女子は上級2割、中級4割、初級4割くらいに別れていました。初日の時間区分は、まず体慣らしのために軽く15分間泳いで5分休憩、次に泳力試験を25分行って5分休憩、最後に本格的訓練を20分というふうになっていました。

最初の15分間は体慣らしのために、上級と中級の区画では、男女交互にプールの短辺をゆっくり泳いで往復していました。初級者区画では、区画内を2等分して、赤帽組は泳いでも歩いても良いからプール短辺を1往復する。白帽組は対岸で一度足を着いても良いから泳いでプール短辺を一往復するという方法で、体慣らしを行いました。

1コマ目の体慣らしが終わったところで、赤フン組の27人は、体育教官のH先生とN先生に申告してから、体育館側とS小側のスタート台の後に分かれて、一度赤褌を完全に解いて素っ裸になり、一から褌を固く締め直しました。ちなみに、初級者区画の赤フン組は、私とMk君、それにC組とD組の線なし白帽が一人ずつの4人でした。

2コマ目に行われた初級者区画での泳力試験では、(1)赤帽組のうちやっと5m泳げる程度の女子は、とにかく足を着かずプール短辺をどこまで泳げるかを、(2)一応10m以上は泳げる残りの赤帽組は、プール短辺片道が確実に泳ぎ切れるかどうかを、(3)白帽組は、足を全く着かずにプール短辺を往復出来るかどうかを、それぞれ確認されました。

本来なら中級者区画に行っても良い、プール短辺が確実に2往復出来る白帽に赤線1本の男女が、私とB組六尺組のMk君を含めて7人初級者区画に残っていたのですが、中級者区画の人数が70人近くにふくれあがっていたので、そのまま初級者区画で泳いで良いことになりました。

泳力試験の後5分間休憩して、最後の1コマで本式の水泳訓練が始まりました。初級者区画では水面を2対3くらいに分けて、スタート台に近い方では、赤帽組がとにかくプール短辺を足を全く着かずに泳ぎ切る練習を、中級者区画に近い方では、白帽組が全く足を着かずにプール短辺を往復する練習をしました。私たち白帽に赤線1本の7人は、中級者区画のすぐそばで、蛙足平泳ぎの型をきちんと守るように注意しながら、プール短辺を2往復以上する練習をしました。

初級者区画の白帽に赤線1本組は、全員で話し合って、蛙足平泳ぎの型をきちんと守ることを優先して、7人が一列になってゆっくり泳いでプール短辺を往復することにしました。私たち7人が話し合っているのに気付いた初級者区画赤フン組の残り2人が、同じグループに入れてくれないかと申し出てきました。

初級者区画主任教官のT先生と補助教官のHr先生に許可を求めたところ、この2人は、1年生最後の泳力試験でプール短辺2往復を達成する寸前に、息継ぎを失敗して足を着き不合格になったのだからと言うことで、私たち7人と一緒に泳ぐことが許されました。

取りあえずゆっくり2往復泳ぐことにして、B組六尺組のMk君を先頭にして男子6人が先に一列になって泳ぎ始めました。2回目の2往復を泳ぎ始めたところで、無線白帽組の男子が私の横を猛スピードの抜き手で追い抜いてゆきました。私が追い抜いてゆく後ろ姿を見ると、彼の水泳パンツの股のところから、臙脂色の布がハッキリ見えるほどはみ出していました。その後もう1回彼に追い抜かれたときには、臙脂色の布は彼の足先くらいまで出て来ていました。私の前を泳いでいたMK君の顔の前に、この臙脂色の布の先がヒラヒラして来たため、邪魔になると思ったMk君がとっさに布の端を掴みました。すると布はスルスルと抜けて来て、MK君の手元に残りました。

Mk君は足を着いて立ち上がり、右手に臙脂褌の端を握ったままで、水泳パンツから褌が完全に流れ出した子に向かって、

「おい、〇△! ちょっと止まれ! フンドシがパンツから流れ出しているぞ。とにかく泳ぐのは止めろ。」

と呼びかけました。

Mk君の大声にもかかわらず、水泳パンツから臙脂褌が流れ出した子は気付かずに泳ぎ続けましたが、Mk君の大声を聞きつけたT先生が異変に気付いて、プールサイドから大声で、

「白帽の者は、泳ぐのを止めろ! 男子も女子も、全員一度岸に上がれ!」

と、厳しく指示されました。

泳ぐのを止めて市道側のプールサ1イドに上がった初級者男子28名の様子を見ると、水泳パンツ組24人のうち5,6人の水泳パンツの股のところから、下に締めた赤六尺褌の先が短い者は手の平の長さくらい、長いものは膝くらいまで垂れ下がっていました。

これを見たT先生は、初級者男子28人に向かって、

「赤フンドシの上に水泳パンツは穿いている者は、すぐに水泳パンツを脱げ! 今から、お前たちの赤フンドシがきちんと締めてあるか確認する。緩んでいる者は、この場で一度完全にフンドシを解いて締め直させることにする。六尺組のSbは儂の補助に、MkはHr先生の補助についてくれ。さあ、水泳パンツを穿いている者は、サッサと脱いで赤フンドシだけになれ。〇△も脱ぐんだぞ。Mkは、その臙脂色のフンドシを〇△に渡してやれ。」

と、厳しい声で命令されると、指導用の青竹の鞭を手にされました。

T先生とHr先生の手に、この日初めて青竹の鞭が握られたのを見て、水泳パンツ組の24人は慌てて水泳パンツを脱ぎ始めました。24人全員が水泳パンツを脱ぎ終えたところで、T先生は、

「よし、今から貴様らの褌の締め具合を点検する。水泳パンツを穿いていた者は、クラス別に整列しろ。モタモタするんじゃない!」

と、厳しく命令されました。

私はT先生について、A・B組水泳パンツ組の中で、赤褌の締め具合点検の結果締め直しを命ぜられた者の締め直しを補助しました。締め直しを命ぜられたのは、A・B組男子13人のうち9人で、そのうちほとんど褌が解けかけていた者が4人、1年生の時にフリチンで終了点呼を受ける者が13人出た3回目の水泳訓練で、全員が一斉に褌を締め直したときのユルフン状態以下の者が5人でした。

水泳訓練の最終3コマ目の途中とはいえ、初級者男子水泳パンツ組24人のうちで、水泳パンツの下に締めた赤褌が一応実用に耐える状態の者が1/3足らずだったことに驚いたT先生とHr先生は、この日の初級者区画の訓練をここで打ちることにされました。

そして、赤フン組の4人も含めた初級者区画の男子28人全員に対して、もう一度赤褌を解いて一から締めなすように命じられると、H先生にも手伝ってもらって、特に水泳パンツ組の締め直しを厳しく監督しておられました。

初級者区画の全男子一斉赤褌締め直し騒動に気付いて、上級者区画のM先生と中級者区画のI先生も初級者区画にやってこられたので、H先生からM、I両先生対して、それぞれの担当区画でも、3コマ目の訓練が終わるまでに、赤褌の上に水泳パンツを穿いている者全員の褌の締め込み具合を確認するように求められました。

M先生とI先生は、上級者区画と中級者区画の訓練を少し早めに切り上げると、水から上がった水泳パンツ着用者に水泳パンツを脱いで赤褌だけになるように指示されました。上級者区画では解けそうなほどひどく褌が緩んでいる者はいなかったのですが、中級者区画では赤褌がほとんど解けていてパンツの股側からはみ出す寸前だった者が4、5人、大きく緩んでいてもし赤褌だけだったら訓練終了までに解けてしまっただろう者が5,6人、さらに驚くべきことに、着用が禁止されているキンツリサポーターを赤褌の代わりに着用している者が3人いることがわかりました。

いくら赤褌の上に水泳パンツを穿いているとは言え、パンツの下で赤褌が解けて股のところから流れ出せば、足に絡まって最悪おぼれてしまう可能性もあります。

赤六尺褌しか身に着けていなければ、褌が解けそうなほど緩んでいれば外から見て一目でわかりますが、上に水泳パンツを穿いていると、完全に解けて褌がパンツの股のところから流れ出てくるまでわかりません。また、家から水泳パンツを穿いてくれば、下に禁止されているキンツリサポーターをしていても、訓練終了後に教室で水泳パンツを脱ぐまで全くわかりません。

そこで、体育教官のH先生とN先生、各区画の主任教官であるM、I、Tの3先生が急いで協議された結果、次回の水泳訓練からは、1年生の時と同じように、1コマ目の訓練が終わったところで男子全員、水泳パンツを穿いている者はパンツを脱いで、赤褌を完全に解いてから一枚布の形に戻した上で、はじめから締め直させることになりました。

訓練終了後体育館に戻る前に、プール出入口に新設されたシャワーを浴びることになっていたのですが、先に出ることになっていた女子生徒が、プールサイドに持ち込んでいたバスタオルを、シャワーを浴びるときに濡らさないようにするにはどうしたらよいかが問題になって、出入口が渋滞してしまいました。また、体育館までの屋外通路と体育館に入る昇降口に敷いてある防水布の範囲では体に残っている水滴をぬぐいきれないために、体育館の木の床にかなり水滴が落ちることもわかって来ました。

このため、訓練終了後男子は、以前と同じようにシャワーを浴びることなく体育館に戻ることになりました。

2回目以降の水泳訓練では、男子全員が一斉に赤褌の締め直しをすることになったので、上に書いたような水泳パンツの下で褌が解けて、パンツの股のところから流れ出るような者は見なくなりましたが、水泳パンツの下に締めた赤褌のユルフンは、水泳訓練の間中、泳ぎの形が崩れる原因だとして常に問題になっていました。

また、上級者区画では、一旦は水泳パンツを穿いて泳いでみたものの、時間泳ぎだけでなく速泳の訓練も行われるようになると、水泳パンツではお尻ところでパンツと体の間に空気と水がたまって泳ぎにくいとわかって、赤六尺褌一本に戻る者が4、5人出て来ました。

次回は、希望者だけで行われた臨海水泳訓練のお話をしたいと思います。

運営者より
海どじょうさん,こんにちは。中学2年生くらいになると,第二次性徴に伴い陰毛が生えてきますから,なるほど「ふんどし学校」ではそういう問題があるわけですね。大人であればすぐ気がつく問題ですが,実は中学生でもすでにそういう問題が生じるとは,気づきませんでした。今,ふんどしを水着に採用している中学校,高校でも,同じ騒動が繰り広げられているのかもしれませんね。続きが楽しみです。今後ともよろしくお願いします!

証言 33: 2017/04/08
ハンドルネーム
海どじょう
年齢 性別 職業 居住地
66歳 男性 年金生活者(兼団体職員) 山口県
表題
褌の自分史15 (中学2年の水泳訓練 (2) )
本文

50年以上前の昔話ばかり書いている海どじょうです。今回は、夏休み中に実施された臨海水泳訓練に向けた準備の意味合いが強い、大学所有の50mプールを利用しての例年の水泳訓練についてお話しします。

赤六尺褌が男子の指定水着だったわが附中では、昭和39年度からは、2年生も「水泳パンツ着用許可願」を体育教官に提出すれば、プールでの水泳訓練の際には、本来の指定水着である赤六尺褌を締めた上に、黒ナイロン製の競泳用パンツを着用することが許されるようになり、2年生男子生徒90人中約1/3だけが、依然として赤六尺褌一本で訓練を受ける状態になりました。

前回書きましたように、中学2年生になれば第二次性徴が顕著になってきて、ほとんどの男子生徒が生えそろって来た陰毛のことを気にするようになります。特に、赤六尺褌一本で訓練を受けている者は、何も対策を取らなければ、15cm幅赤褌の前袋の両脇から多かれ少なかれ陰毛がはみ出すことを免れませんでした。

陰毛のはみ出しを気にする者は、水泳訓練が始まる前にH先生から教えられたように、前袋の脇からはみ出す陰毛をハサミで刈り詰めて、訓練初日は毛がはみ出さないようにしていました。一方当時バンカラを気取っていたC・D組赤フン組の半数は、わざと毛を刈り詰めずに前袋の両脇からちょぼちょぼと陰毛をはみ出させていました。そうはいっても、まだ中学2年生で陰毛がようやく生えそろって来た段階の者がほとんどですから、よほど注意して間近で見ない限り、ぱっと見てわかるほど前袋の脇から毛が盛大にはみ出している者はほとんどいませんでした。

一週間続く訓練の間、赤褌の前袋からはみ出している陰毛は、泳いだ後前袋が多少狭くなっていても、ほとんど他人に気付かれない程度だということがわかってくると、初日には陰毛を刈り詰めていた者も、その後はほったらかしにして刈り詰めなくなりました。その結果、最終訓練日の金曜日の午後に行われた泳力試験終了後には、赤フン組全員が、全力で泳ぎ切った後少し狭くなっている前袋の脇から、ちょぼちょぼよりもう少し多く陰毛をはみ出させていました。

2年生の水泳訓練では、夏休み中、8月上旬にテストケースとして希望者のみで実施が予定されていた臨海水泳訓練に備えて、1年生の時以上に長い時間続けて泳ぐ練習に力が入れられました。この臨海水泳訓練に参加できるのは、一応プール短辺15mを全く足を着かずに2往復以上出来る白帽に赤線1本組からと言うことになっていました。このため、初級者区画に残った白帽に赤線1本組7人と、一緒に練習している線なし白帽の赤フン男子2人は、毎日毎日、蛙足平泳ぎの形を崩さずにプール短辺を足を全く着かずに3往復する練習をさせられました。

特に、後半の二日間は、短辺3往復を泳いだ後水中で2分足らず休んだだけで、次の3往復を泳ぐように厳しく指導され、全員3コマ目の練習が終わる頃にはヘトヘトになっていました。また、中級者区画では15分連続して区画内を回游するとき、1年生の時には浅いところで少し足を着いても良いことになっていましたが、2年生の訓練では、回游の途中で足を着いたりプールの脇の排水溝に手を掛けて休むことは、厳しく禁止されるようになりました。

夏休みに実施が計画されていた希望者のみ参加の臨海水泳訓練は、本来ならば夏休みに入ってすぐの7月下旬に実施する構想だったそうです。ところが、当時はまだ公的な集団宿泊訓練施設が、訓練場となる海水浴場近くになかったため、広島市内の中学や高校が毎年臨海学校の時に宿泊する海水浴旅館が空くのを待たなければならず、結局イラ(クラゲ)が出て来る恐れのある8月4日から8日の間、4泊5日でに実施されることになりました。また、利用できる旅館の収容人員が限られており、2軒の旅館に分散宿泊させるのは管理上望ましくないということと、指導に当たれる教官が10人程度しか見込めないことから、参加人員の上限は70人ということになりました。

7月初めに臨海水泳訓練の細目が決まって、実施日程や諸注意のプリントとともに参加申込書が配られました。そこには、訓練中は毎日午前午後3時間半ずつ泳がなければならない上に、男子は一般の海水浴客がいる前で、附中指定の赤六尺褌一本だけで訓練を受けなければならないと明記されていました。このため、プールでの水泳訓練の際に赤褌だけで泳いでいるいわゆる「赤フン組」30人以外の男子生徒の申し込みは低調で、期末試験後の申込締め切り日になっても、参加者は男子40人くらい、女子25人くらいと定員割れの状態でした。

さらにこれに追い打ちを掛けたのが、期末試験後に訓練場となる海水浴場の現地最終調査に赴かれた体育主任のH先生と教務主任のM先生が、海水浴場の現状と8月上旬の状況を現地関係者に確認されたところ、ここ数年瀬戸内海コンビナートの建設工事が進んでいるためか、梅雨が明けてもなかなか海水の濁りがとれないということがわかったことでした。これに加えて、臨海水泳訓練時に宿泊場所となる旅館の主人から、広島県から附中と同じくらいの長い日程で臨海学校に来る中学や高校は、海水が濁っていることも想定して男子は白六尺褌で泳がせているとの助言もあったようです。

こうした調査結果を受けて、プールでの水泳訓練初日に、臨海水泳訓練に参加申し込みをした2年生男女だけを訓練後体育館に残して、H先生から特別に、

「臨海水泳訓練を行う海水浴場では、海水の濁りがかなりある日が多いので、日に焼けた体に赤六尺褌では、万一おぼれたときに発見が遅れかねない。よって、水泳訓練の際、男子は白六尺褌で泳がせるし、女子は水着の腰に六尺褌と同じ材質の白帯を巻かせることにした。

なお、白褌と白帯は、夏休みに入ったらすぐに4日間行う時間泳ぎ泳力強化訓練開始前に、学校側から参加者全員に2本ずつ支給するから、お前たちが自分で買う必要はない。」

と通告されました。

これを聞いた男子生徒、特にプールでの水泳訓練では赤褌の上に黒ナイロンの競泳用パンツを穿いていた者は、濡れたら中身が完全に透けて見える白六尺褌だけで泳がされると知って、この臨海水泳訓練に参加することを躊躇するようになり、半数くらいが最終的に参加を辞退してしまいました。

次回は、この臨海水泳訓練に向けて、夏休みに入るとすぐ、7月22日から25日までの午後に毎日3時間半ずつ行われた、白六尺褌を締めての時間泳ぎ泳力強化訓練の様子を書いていくつもりです。

運営者より
海どじょうさん,こんにちは。今回も楽しい証言をどうもありがとうございます。海水が濁ると,安全のために赤ではなく白の褌を締めるというのは,意外ですが理屈に合っていて感心しました。その反面,透けるのを嫌がって臨海訓練への参加を辞退する生徒が続出したというのも,思春期の子どもらしく何とも微笑ましい気がしました。当時,広島県から来る生徒が白六尺褌だったというのも新情報でした。私の出身校は広島市内の中・高等学校ですが,校史には臨海学校は白六尺褌だったとの記述があったと記憶します。ただ,昭和39年当時も褌だったかどうかは不明です。今後ともよろしくお願いします!

証言 34: 2017/04/17
ハンドルネーム
海どじょう
年齢 性別 職業 居住地
66歳 男性 年金生活者(兼団体職員) 山口県
表題
褌の自分史16 (長髪男子の水着が六尺褌)
本文

昔話専門の海どじょうです。

前回、中学2年生の夏休みに実施された、任意参加の臨海水泳訓練の際に、一般の海水浴客がいる海水浴場で、男子生徒は附属中学校本来の指定水着である15cm幅の赤褌ではなく、新モス半幅(約17cm)の白六尺褌一本で泳がされることになったと書きました。その投稿に対する管理者「ふどし」様のコメントを見て、補足説明が必要かと思いましたので、いくつか書いてみます。

以前の投稿に書きましたように、昭和40年代まで、山口県内のほとんどの中学・高校では、男子生徒は校則で坊主頭が強制されており、スポーツ刈り(当時の認識では角刈り)程度の長さでも注意を受ける状況でした。

当時の山口市内の中学校で、唯一男子の長髪が許されていたのが、私の通っていた国立大学の附属中学校でした。周囲の中学・高校がそうした環境にある中で、男子生徒の長髪は許されているのに、水泳訓練では全員赤六尺褌強制というのは、外部の人から見れば相当大きな違和感があったと思います。

私が最初にそのことに気付いたのは、2年生の6月にプールの水を入れ替えるにあたって、慣例により2年生男子の六尺組(小学生の時から六尺褌だけで泳いでいる者)がプール掃除を任された時でした。一応大学所有のプールなので、夏にこのプールを使う大学の水泳部からも何人か(主に1年生部員)が手伝いに来ていました。この大学水泳部員が、プール掃除に備えて附中六尺組と一緒に校舎の屋上で水着に着替えたときに、附中生のうち7割近くが長髪なのにもかかわらず、全員がいさぎよく素っ裸になって、慣れた手つきで色の褪せた赤六尺褌を締め込んでいくのを見て、口々に、「この中学校は何だ! 長髪の者がほとんどなのに、泳ぐときは赤フンドシだけなのか! 今時、良く赤フンドシだけで泳がせるな。それに、全員フンドシを締め慣れた手つきだし、中学生のくせに剥けチンの者が半分以上もいるなんて、本当におかしな学校だ!」と、驚きの声を上げるのを聞いた時でした。

次にもっと強くそのことを認識させられたのは、夏休みに実施された臨海水泳訓練で泊まった海水浴旅館で、訓練初日の夜、指導に当たる教官方の宿泊室に、班の連絡係として伺った時に、旅館のご主人が先生方とお茶(オチャケかも?)を飲みながら、次のようにしゃべているのを偶然聞いたときでした。宿のご主人は附中の先生方に向かって、

「附中の生徒さんがお昼前に当館に着いたとき、男子生徒の7割近くが長髪なのを見て、儂はなんて軟弱な学校なんだと思いました。ところが昼食後、訓練について先生方が説明されているのを聞くと、当館を長年使っている男子校に近い訓練内容なので、初めての臨海学校でこの内容で大丈夫かな、こんな軟弱そうな生徒さんが訓練に耐えられるかなと、正直心配になりました。

いざ訓練のために、生徒さんが水着になって当館の前庭に出て来たとき、男子生徒全員が細い白フンドシを締めただけで、しかも全員お尻まで日焼けしているのを見て、儂はびっくりしました。戦前から、ここで臨海学校を続けている広島と山口の中学・高校がいくつかあります。当館に宿泊される学校以外に、近所の同業を利用されるところもありますが、男子校の中には、今でも生徒さんはフンドシだけで泳がせているところが、数校あります。しかし、訓練初日から生徒さんのお尻が日に焼けている学校は、儂の知るところでは2校しかありません。そのほかの学校は、日頃の水泳訓練は水泳パンツで行い、臨海学校の時だけフンドシを締めさせているようですし、指導に当たられる先生全員がフンドシだけなのは、1校しかありません。儂からすると、男子生徒の大多数が長髪なのに、全員細い白フンドシ一本だけ、しかも学校での日頃の水泳訓練でもフンドシだけで泳いでいるようにお尻が日に焼けているというのは、何か非常に違和感がありました。

夕方訓練が終わって、生徒さんが帰っ来たとき、初めての海での訓練で相当疲れているはずなのに、フンドシを外して洗ってきちんと干してから当館に入るまで、行動にしっかり統制がとれているのを見て、これは日頃から結構厳しく訓練されていて、男子が長髪だから軟弱な学校だと決めつけたのは、儂の見立て違いだったかなと思いました。」

と、少し戸惑った口調で話していらっしゃいました。

その場に居合わせた六尺組5、6人は、ご主人のこの話を聞いて、長髪の男子中学生が白六尺褌だけで泳いでいると、初めて見た人からはかなり奇妙に見えるのだということが、はじめてわかりました。

管理者のふどし様が前回投稿のコメントで書いていらっしゃる、広島の有名私立中学校が戦前から山口県の海水浴場で臨海学校を行っていることは知っていたが、その中学校がいつ頃まで六尺褌一本で泳いでいたかさはさだかでないという点について、以下にわかる限りお答えします。

バブル期の頃と今から7,8年前に、別々の出版社が昭和期以前の写真を集めて、山口県内の5都市群ごとの豪華な写真集を出版したことがあります。そのうちの「徳山・新南陽・下松・光編」中に、2社それぞれ昭和10年代初めと、昭和30年代後半に、光市の海水浴場で臨海学校を行っている修〇中学の集合写真が掲載されています。どちらの写真も、白六尺褌一本で真っ黒に日焼けした男子中学生の集団が写っています。

ただ、戦前と戦後の写真で違うところを強いて探せば、戦後の写真では背景に写っている一般海水浴客ばかりでなく、指導教官とおぼしき男性もほとんどが黒い水泳パンツを穿いていることです。戦後昭和30年代には、臨海学校における白六尺褌は、既に男子生徒を海で鍛えるための特殊な水着となっていたのではないでしょうか。そう考えれば、先の海水浴旅館主人が、私たち附中の臨海水泳訓練の際に、男子生徒と指導教官が六尺褌一本だけで泳ぐ姿を見て、最初違和感を覚えたと言うのもうなずけると思います。

これはおまけですが、私は、昭和50年代初頭に日本水連・日本泳法委員会が、当時の日本泳法12流派の模範演技を記録した16mm記録映画のDVD版をもっています。この記録映画の中で、六尺褌一本で模範演技を披露しているのは、水府流太田派、神伝流、山内流の3流派だけ、それも3流派とも模範演技のごく一部だけです。日本泳法(一般には古式泳法)の水着は六尺褌と思われていた昭和50年代初頭でも、すでにほとんどの流派では水着は水泳パンツ、それもスタンダードブリーフのようなダボッとしたデザインのものを穿いて、永年記録用の模範演技を泳いでいたというのは、子供の頃からずっと六尺褌を水着として使ってきた私には驚きでした。

運営者より
海どじょうさん,こんにちは。今回は,ご投稿に対する拙コメントへの補足説明ということですね。どうもありがとうございます。さて,拙コメントの記述が不十分だったためか,少し誤解があるようです。私の出身校は広島市内の中・高等学校と書きましたが,私立ではなく国立の,海どじょうさんと同じような附属校です。その80年史だと記憶しますが,生徒の戦前の日記に,「注文してあった水褌が届いた。臨海学校への意気込みを新たにした。」という趣旨の記述があったと記憶します。コメントには白六尺褌と書きましたが,今改めて思い起こすと白という記述があったかはどうかは定かではありません。ただ,隣接する附属小学校は昭和39年くらいまで白の六尺褌だったはずですので,おそらく系列の中学校が赤などの色物だったということはないように思います。中学校や高校が昭和39年当時も褌だったかどうかはわかりません。ただ,今回の補足説明により,附属と川一つ隔ててお隣の修○中学(私立男子校)が昭和30年代後半まで白六尺褌だったということ,また広島・山口の男子中学・高校のうち数校が,やはり昭和30年代後半まで褌だったということが明らかになり,私にとって新情報でした。光市の海水浴場は室積でしょうね。広島の中学・高校もそこでよく臨海学校を行っていたようです。今後ともよろしくお願いします!

証言 35: 2017/05/05
ハンドルネーム
海どじょう
年齢 性別 職業 居住地
66歳 男性 年金生活者(兼団体職員) 山口県
表題
褌の自分史17 (中学2年の水泳訓練 (3) )
本文

いつも長い昔話にお付き合いくださりありがとうございます。昭和30年代の中学校における、水泳訓練の際の六尺褌について語っている海どじょうです。今回は、前回までに書き漏らした、2年生の通常の水泳訓練で起こった、最も印象深かったことを書いてみようと思います。

例年どおり1週間のうちに4回、附属中学校裏にある大学所有の公認50mプールを借りて、体育の授業としての水泳訓練が行われました。前半の2回(7月13日と15日)は肌寒い曇天の午前中に訓練が行われましたが、後半の2回(16日と17日)は晴天の午後に訓練が行われました。2年生の訓練は、夏休み前半に実施予定の臨海水泳訓練を念頭に置いて、途中足を着かずに少しでも長く泳ぎ続けることを主眼とした訓練が行われました。

訓練初日、訓練前にC組の教室で、C・D組男子が水着に着替えていたときの出来事です。この年から「水泳パンツ着用許可願」を体育教官に提出すれば、2年生も附中本来の指定水着である15cm幅の赤六尺褌を締めた上に、黒ナイロンの競泳用パンツを穿くことが許されるようになり、C・D組男子のうち2/3が水泳パンツ着用者になっていました。2年生になっても赤六尺褌一本で水泳訓練を受ける私たち赤フン組15人が、教室の後ろ側に集まって全裸になり赤褌を締めていると、この年に九州の大学附属中学校からC組に転入して来たQ君が、一番後ろの席で赤褌を手に握ったまま、パンツ一枚で困惑した顔をしているのに気が付きました。

赤フン組の私とMt君(C組・瀬戸内海沿いの田舎小学校出身で通学バスが一緒)はQ君の態度が気になったので、まず私が、

「Q君、どうしてフンドシを締めないんだ? 早く着替えないと集合に間に合わないぞ。」

と問いかけました。

するとQ君が、助かったというような顔になって、私とMt君に向かって、

「俺は赤フンドシなんか締めたことがないんだ。水泳パンツの下に赤六尺を締めないといけないと、担任のH先生から言われたので、駅前の運動具店で六尺フンドシだけは買ったけれど、どうして締めたらいいかはわからないままだったんだ。

今日同級生の締めるのを見てマネすればいいと高をくくっていたけれども、おまえたちがフンドシを締めるスピードが速すぎて、結局締め方がわからず焦っているんだ。俺に赤フンドシの締め方を教えてくれないか。」

と、スポーツ万能をひけらかす日頃の尊大な口ぶりとは打って代わった、すがるような口調で頼み込んできました。

Mt君も私も、日頃の尊大な態度とは異なるQ君の口ぶりに驚きましたが、その困り切った表情を見て同情し、赤六尺褌の締め方を教えてやろうという気になりました。ところが、教室の時計を見るとあと10分も残っていないので、一から六尺褌の締め方を教えていてはとても間に合いそうにありません。そこでMt君が、

「Q、今からフンドシの締め方を教えていては間に合わないから、ここは俺が締めてやるよ。その赤フンドシをこっちにかせ。まずパンツを脱いでフリチンになれ。もう時間がないから、恥ずかしがっていないで、サッサとパンツを脱げ!」

と強い口調で指示しました。

Q君から赤褌を受け取ったMt君は、パンツを脱いでフリチンになったQ君の肩に褌の片端を掛けて手で押さえているように指示してから、やにわにQ君のチンコと金玉を片手でグッと持ち上げると、驚いているQ君を尻目に素早く赤褌を締め上げてゆきました。2分足らずで赤褌を締め終わったMt君は、Q君に向かって、

「この位固くフンドシを締めておけば、上に水泳パンツを穿いている限り、訓練が終わるまでフンドシが解けて外れることはないだろう。Qがどのくらい泳げるのかわからないが、もし訓練中にフンドシの調子がおかしくなったら、赤フンドシだけで泳いでいる俺かSbに言ってくれ。フンドシの締め直しを手伝ってやるからな。さあ、急いで水泳パンツをはけ。俺たち赤フンドシだけで泳ぐ者と一緒に体育館に行こう。」

と言いました。

Q君は、急いで水泳パンツを穿くと、私たち赤フン組15人と一緒に体育館に向かいました。その途中でQ君は、私とMt君に対して小さな声で、

「赤フンドシを締めてくれて助かったよ。俺は、水泳は得意じゃないんだ。やっと20m泳げるくらいだから、初級者区画に行くつもりなんだ。君たち二人は水泳がうまいんだろう。初心者区画に赤フンだけで泳ぐ同級生がいるといいのだけどな・・・。」

と、心細さがあらわな口調でささやきました。

これを聞いた私は、Q君を励ますように、

「D組のSbだけど、僕も水泳は得意じゃないから、初級者区画で泳ぐよ。小学校の時から赤フンドシで泳いでいたB組六尺組のMk君も一緒にいるから大丈夫。フンドシの調子がおかしくなったら、僕に言ってくれれば、いつでも締め直しを手伝ってあげるよ。」

と言いました。

私が初級者区画で泳ぐと言ったので、Q君はほっとしたように表情を緩めました。その後の水泳訓練初日は、以前掲載していただいた「褌の自分史14」に書いたように進んだのですが、訓練の3コマ目で起こった水泳パンツ股下から解けた赤褌が流れ出した騒動の結果、まず初級者区画の水泳パンツ組全員が、一旦水泳パンツを脱いで、下に締めている赤褌の締め込み具合を指導教官から点検されることになりました。

C・D組・水泳パンツ組の赤褌締め込み具合を点検して行かれた補助教官のHr先生は、Q君の真新しい赤褌の締め込みが意外にしっかりしているのに気付いて、

「Q、お前は九州の学校から転校してきたはずだが、前の学校でもフンドシを締めて泳いでいたのか? 1年生の時に赤フンだけで泳いでいたうちの生徒より、よっぽどしっかり締めてあるじゃないか。」

と、Q君に問いかけられました。

Q君は恥ずかしそうに、

「俺は今までフンドシを締めたことはありません。今日初めて赤フンドシを締めなくてはならなくなって、締め方がわからず途方に暮れていたら、同級生のMt君がきつく締めてくれたのです。Mt君は、金玉がつぶれて尻の穴が裂けそうになるほどきつくフンドシを締めてくれたので、準備体操をするところまでは動くと痛いくらいでしたが、水に入って泳いでいるうちに気にならなくなりました。」

と、Hr先生に答えました。その後、赤フン組も水泳パンツ組も、初級者区画の男子全員が一旦赤褌を解いて、一から締め直すことになった時、Hr先生がQ君のことを思い出して、私に対して、

「Sb、お前は六尺組で、何度も『六尺締め方訓練』の助手をしてきたから、これからQについてみっちり六尺フンドシの締め方を教えてやれ。」

と指示されました。

続いてHr先生は、Q君に向かって、

「Q、このSbは小学生の頃からずっと六尺フンドシだけで泳いできて、附中に入ってから何度も『六尺締め方訓練』の助手をしてきた、フンドシのベテランだ。ここでSbから、しっかりフンドシの締め方を教わって、次回の訓練からは自分でフンドシが締められるようになるんだぞ。」

と、厳しい声で命じられました。

私は、他の初級者男子と一緒では、Q君に一から六尺褌の締め方を教えにくいと思ったので、初級者区画主任教官のT先生と体育主任のH先生に事情を話して、体育館側スタート台の後でQ君とマンツーマンで六尺褌の締め方を教えることにしました。一緒に体育館側スタート台の後に行くと、私はQ君に向かって、

「今から六尺フンドシの締め方を教えるけれども、あまり時間がないから急いでやるぞ。まず褌を解いてから、最初のように一枚布の形に戻してくれ。後の巻き付けを解けば、フンドシはそのまま足下に落ちるから。さあ、早く早く!」

と指示しました。Q君は、後ミツの巻き付けを解いてフンドシを足下に落としたものの、左手でチンコを隠して右手で褌を拾い上げたところで、動きを止めてしまいました。私は、自分の褌を解いて広げ始めたところでしたが、Q君の動きが止まってしまったので、強い口調で、

「Q君、恥ずかしがっていないで、早くフンドシを一枚布に広げてくれないと、締め方を教えられないのだけどな。最後の人員点呼まであまり時間がないから、とにかくフンドシを締めてしまわないと、フリチンで点呼を受けなければならなくなるぞ。」

と、せき立てました。

最後の「フリチンで点呼」の一言が効いたのか、Q君は左手でチンコを隠すのを止めて、急いで褌を一枚布の形に広げてゆきました。一応褌を一枚布の形に戻したところで、私がQ君の斜め前に立つと、

「今からゆっくりとフンドシを締めていくから、Q君は僕のマネをして、とにかく一人でフンドシを締めていってくれ。一応一つの動作ごとに口で説明していくから、良く聞いて、わからないところは直ぐに質問してくれ。」

と言ってから、フンドシの短い方の端を肩に掛けて首で押さえるところから、一動作ずつ口で説明しながらスローペースで褌を締めてゆきました。

Q君は、途中で私の言った意味が理解できなくて2,3回聞き返してきたものの、何とか最後まで私の動きについて褌を締めていってくれました。締め終わったQ君の褌を点検すると、初めてにしては様になっていましたが、これで水に入って全力で泳いだら、プール短辺を2往復する前に解けてしまいそうな感じでした。

心配して側で見守っていらしたH先生は、私たち二人に向かって、

「上級者と中級者の区画で、これから水泳パンツの下に締めている六尺の点検が始まるところだ。もう少し時間があるから、もう一回最初からフンドシを締めてみろ。Qのフンドシ、今の締め込み方では泳いだら確実に解けるだろうが、点呼くらいならまあ何とか持ちそうだ。Q、今日はこれで最後だ、よくSbに教わって、もう少しきつく六尺を締めてみろ。締め終わったら、今度は先生が検査するからな。しっかりやれよ。担任のワシに恥をかかすんじゃないぞ。」

と、ちょっと厳しい声で命じられました。

私とQ君は、先ほどと同じように赤六尺褌を解いて一枚布の形にきちんと広げてから、今度は私がいちいち口で説明しないでゆっくり褌を締めていくのについて、Q君も褌を締め込んでゆきました。私とQ君が褌を締めてゆくのを横目で追っていらしたH 先生は、Q君が褌を締め終わったところで、Q君の側に来るとあちこち褌を引っ張って締め込み具合を点検して行かれました。一応点検し終わったところで、H先生は、

「Q、今日の水泳訓練は、もう最後の人員確認点呼をするだけだ。その締め込み具合でも、人員点呼だけなら十分用は足る。もう水泳パンツを穿かずに、そのまま赤六尺だけで点呼を受けろ。まだ今の締め込み方では、泳ぐには不安がある。今日家に帰ってからよく練習しておくことだ。六尺フンドシの締め方で良くわからないところがあったら、このSbか、同じクラスで最初にフンドシを締めてくれたMtにきけ。二人とも面倒見がいい男だから、きちんと教えてくれるはずだ。『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』というからな。恥ずかしがらずに聞けよ。それにしても、スポーツ万能のお前が水泳が苦手だったとはな・・・。」

と、Q君に忠告されました。続いて私に対して、H先生は、

「Sb、君は、ワシらが何を頼んでも嫌な顔をせずに引き受けて、きちんとこなしてくれる。瀬戸内海沿いの小学校から来た、D組の君とKy、ワシのクラスのMt、Tmの4人はみんなそうだ。先生は良い生徒を受け持てて嬉しいぞ。今日はまた無理を言って済まなかったな。ありがとう。六尺初心者のQのことはよろしく頼むぞ、Mtと協力して、六尺褌の締め方をしっかり教えてやってくれ。Mtには、ワシからしっかり頼んでおくからな。」

と、褒め言葉とともにQ君への指導につい依頼されました。

この後、2年生のプールでの水泳訓練の間中、私とMt君は協力して、Q君が泳ぐのに十分耐えられる程度に赤六尺褌を締められるように、指導・援助しました。この「六尺褌締め方指導」がきっかけになって、私とMt君はQ君と仲良くなり、白六尺褌一本でみっちり水泳を鍛えられた夏休みの臨海水泳訓練にも一緒に参加することになりました。

六尺褌を全く締めたことのない男子が、指定水着が六尺褌である学校に途中で転校してきた場合、どういう目に遭うか、Q君の事例で想像できると思います。ちなみに、同じ年の春D組にやってきた転校生のYd君は、東京で通っていた大学の附属小・中学校が現在でも有名な「フンドシ学校」で、そこでは水泳部に所属していて、都の大会にも赤褌で出場していた猛者だったので、赤褌一本で水泳訓練を受けることに抵抗感は全くなかったそうです。

運営者より
海どじょうさん,こんにちは。今回も楽しい証言をどうもありがとうございます。なるほど,これまで思ってもみませんでしたが,ふんどしを指定水着にしていない学校から,指定水着にしている学校に生徒が転入してくることもあり得るわけですね。そのような場合,その生徒がどのように戸惑って,どのように対処したかという事例を提示してくださいました。今日でも,附属小学校で指定水着がふんどしという学校がありますが,附属小学校は転入生を受け入れますので,現在でもそのような事例はあり得ると思います。そのような学校では「ふんどし講習会」のような指導の場を設けているようですが,転入生にはどのように対応しているのでしょうか。海どじょうさんにご証言いただいたケースのように,クラスメートが教えるのかも知れませんね。今後ともよろしくお願いします!

証言 36: 2017/05/17
ハンドルネーム
海どじょう
年齢 性別 職業 居住地
66歳 男性 年金生活者(兼団体職員) 山口県
表題
褌の自分史18(六尺褌初心者Q君のこと (2) )
本文

昔話ばかりの海どじょうです。前回書きました2年生の時の六尺褌初心者Q君との「六尺締め方訓練」個人レッスンのことをもう少し書いてみます。

2年生の春、他都府県の中学校から附属中学校に転入して来た男子は、D組のクラスメイトで東京の「フンドシ学校」から来たYd君、C組で九州の大学附属中からきたQ君の他にも、A・B組にも少しいたようには思いますが、確かな記憶はありません。

7月に大学所有の50mプールを借用して行われた例年の水泳訓練の際、Yd君は私たちC・D組赤フン組15人の一員として、色の褪せた赤六尺褌一本に前の学校で使っていたらしい黒線1本入りの白水泳帽姿で、大威張りで上級者区画で泳いでいました。小中学校とも水泳部で、区や都の大会にも赤褌で出たというYd君と違って、転入以来スポーツ万能をひけらかしていたQ君は、実は六尺褌の未経験者、さらに水泳だけは苦手で、私と一緒に初級者区画で泳いでいました。

2年時1回目の水泳訓練の際に、水泳パンツ組の中で下に締めていた赤六尺褌が解けてパンツの股部分から流れ出した者が何人か出たときに、水泳パンツの下に指定の赤褌ではなくて黒のキンツリサポーター(黒猫褌)を着用していることが露見した者が2、3名いましたが、今考えると、どうもこの子たちがA・B組の転入生ではなかったかという気がします。

昭和39年度最初の水泳訓練の翌日、私がいつものように、昼休みの図書室で昔の水泳の本を読んでいると、滅多に図書室に来ないMt君がQ君と一緒にやって来ました。私を見付けたMt君は、

「やっぱりSbはここに居たんだ。実は、Qが赤フンドシの締め方を、もう一度教えてくれと言うんだ。昨日家に帰ってから一人で練習してみたが、どうもうまく締められないんだそうだ。昨日締め方を教えたのはSbだから、どんな教え方をしたのか俺も見ていないし、お前に頼もうと思って探していたんだ。俺も手伝うから、もう一度Qに教えてやってくれないか。」

と、頼んで来ました。

私は、水泳訓練がない日で、赤褌は持っていないしどうしようかとちょっと迷いましたが、すがるような目で私を見ているQ君に気付いて、

「昨日と同じように僕も裸になって、一緒にフンドシを締めながら教えた方が良いのだけれども、今日はフンドシを持ってきていないんだ。そうだ、H先生にお願いして学校の貸し出し用赤六尺を貸してもらえたら、放課後に3人で練習しようか。それはそうと、Q君とMt君は赤フンドシをもってきているの?」

と尋ねました。

するとまずQ君が、「俺は赤フンドシを持ってきているから、Sb君、放課後で良いからぜひ締め方を教えてくれ。頼むよ!」と言いました。

続いてMt君が、「そうか、俺もフンドシを持ってきてないや。Sb、今すぐH先生のところにいって、貸し出し用の赤フンを借りてこようぜ。」と言い出しました。

善は急げという事で、貸し出し用の赤六尺褌を借りるために、三人揃って体育準備室に行くと、H先生が煙草を吸いながら水泳の雑誌を見ていらっしゃいました。Mt君が先生に向かって、

「H先生、お願いしたいことがあって参りました。入って良いですか?」

と問いかけると、H先生は、

「入ってよし! MtにSb、それにQまで一緒に何事だ。 そうか、Qが君たち二人にフンドシの締め方を教えて欲しいと頼んだのだな。それで、ワシに何の用だ。」

とおっしゃいました。

Mt君が私に向かって、先生に説明するように促す目配せをしたので、仕方なく私が、

「先生、Q君が家でフンドシを締める練習をしてみたけれどもどうもうまくいかないと言って、もう一度締め方を教えてくれと頼んできたのです。締め方を口でいくら教えても、微妙なところは解らないと思うので、放課後に僕とMt君も裸になって、実際にフンドシを締めて見せながら教えようということになりました。でも、僕もMt君も今日は赤フンドシを持ってきていないので、学校の貸し出し用赤六尺を貸してもらおうと、お願いに来たのです。」

と、H先生に事情を説明しました。

私の説明を聞いてH先生は、ちょっと表情を崩すと

「お前たち二人は、相変わらずやることがネツイ(丁寧、慎重)な。Qのためにわざわざそこまでしてくれるのか。よし、今貸し出し用の赤六尺を出すから、好きなのを持って行け。」

とおっしゃると、教材が入れてあるガラス戸棚の中から、結構大きなボール紙の箱を取り出されました。

箱の蓋を取ると、中にはきちんとアイロンを掛けて八つ折りにしてある赤と臙脂色の六尺褌がぎっしり詰まっていました。僕とMt君が、貸し出し用の赤六尺褌が沢山あるのに驚いていると、H 先生は、

「何驚くことはない、これは附中が今の位置に立て代わる前、裏のプールで水泳訓練をしたあとで、先輩達が忘れていった六尺を集めたらこれだけ溜まってしまったのだ。女性事務官さんに頼んで、全部きれいに洗ってアイロンを掛けて消毒してもらってあるから、締めてもインキンがうつる心配はないぞ。名前が書いてなくて持ち主に返せなかったものだから、君たち二人に今日の駄賃代わりに一本ずつやろうじゃないか。好きなのを一本ずつ取れ。」

と、進めて下さいました。

私とMt君は、少し長めと思われる本当の赤褌を一本ずつ取ると、「H先生、ありがとうございます。これをもらって行きますが、本当にお返ししなくて良いのですか。」と尋ねました。

するとH先生は、

「お前たちがQのためにフンドシの締め方を教えてくれるのだから、そのお駄賃だ。この箱の中の赤六尺は、員数外のものだから気にするな。放課後にQにフンドシの締め方を教えるのは、屋上でやるのだろう。先生も手が空いたら見に行くからな。しっかり教えてやってくれ。Qもしっかり教わって、今日中に一人でフンドシが締められるようになれよ。」

と、ちょっとニコニコしながらおっしゃいました。

帰りの学活(ホームルーム)が終わると、直ぐにQ君とMt君が誘いに来たので、先生からもらった赤フンドシだけを持って校舎の屋上に上がりました。曇り空でしたが薄日が射していたので、屋上に上がる出入口ホール外の日陰に行くと、Mt君がQ君に向かって、

「俺たち二人は帰りのバスの時間があるから、急いで教えていくぞ。ここなら放課後は誰も来ないから、さあQ、まずは素っ裸になれ、俺たちも裸になるからな。」

と促しました。

今日はQ君も覚悟を決めてきたようで、三人揃って素早く素っ裸になりました。

前日の水泳訓練の時と同じように、最初は私が一動作ずつ区切って口で締め方を説明しながらゆっくり褌を締めてゆき、Q君にはそれを見ながらマネをして褌を締めていってもらい、Mt君は自分の褌を締めながら、Q君の動作を黙って観察してどこに問題があるのか見付けてもらうことにしました。

最初の練習が終わったところでMt君は、「Qの動作に間違いはないのだが、どうも肝心なところに力が入っていないような気がする。今度は俺がじっくり観察するから、もう一度はじめからフンドシを締めてみてくれ。」と言いました。

そこで、わたしとQ君は褌を解いて一枚布の形にきちんと広げると、今度は私の口頭説明はなしにして、さっきよりは少し早いスピードで褌を締めてゆく私について、Q君にも褌を締めて行ってもらいました。締め終わったところでMt君が、Q君の赤褌の横ミツや縦ミツ、後ろ腰の巻き付けなどを触って、締め込み具合を確認しました。確認し終わったMt君は、

「Qのフンドシの締め方は、手順も形も間違っていないが、いまいち緩いんだよな。陸上で体操するくらいなら大丈夫と思うが、水に入って泳ぐとこれでは最初の1コマも保たないじゃないかな。よし、今度は俺がQと一緒にフンドシを締めていくから、Sb、お前がよく見ていてくれ。さあ、Qもフンドシを解いてもう一度締める準備をしろ。」

と言うと、褌を解き始めました。

Mt君はQ君の斜め前に半身で立つと、Q君が付いてこれるようにかなりゆっくりしたテンポで、力を入れるべきところは多少誇張した動作をして、褌を締めてゆきました。Q君も、いくらかわかってきたのか、Mt君について自分の褌を締め込んでゆきました。私が注意して見ていると、Q君は力を入れるべき動作をその瞬間だけと理解しているようで、たとえば体を回してきて尻の割れ目を通っている縦ミツに引っかけグッと引き上げて締め上げた後、元来た方に折り返して後横ミツに巻き付けてゆくとき、どうもかなり力が抜けているように見えました。

そこで私は、Mt君とQ君が褌を締め終わったところで、二人に向かって、

「Q君、君の締め方だと、フンドシを締め慣れているMt君や僕が無意識にやっている、力を入れなければならない動作からそのまま力を抜かずに次の動きに移るところで、力が抜けているような気がするんだ。君のフンドシを一度解きかけてくれないか。僕が手を添えて、今言ったところの力加減を教えるからね。」

と言いました。

Q君に、褌の左右後ミツへの巻き付けを全部解いて、一旦体を回して来た褌の端を縦ミツに引っかけたところまで戻してもらってから、私が手を添えて、グッと締め上げた後折り返すときも力を抜かないようにして、そのまま横ミツに巻き付けていくことや、肩に掛けている方の端を力一杯グッと上に引き上げたあと、股のところで先に通している縦ミツに一回絡めた後またグッと力を入れて後に引き上げること、最後にその端を後横ミツに引っかけて絡めていくときも、最初にグッと力を入れて引き上げてから力をあまり抜かずに絡めていくことなどを、力加減がわかるように教えました。

私がQ君に手を添えて微妙な力加減を教えているところに、体育主任でQ君とMt君の学級担任でもあるH先生が、様子を見に上がってこられました。私が、Q君に手を添えて締め方を教えているのを見たH先生は、

「何だ、まだSbに手を添えてもらって締め方を習っているのか。それではいかんな。もうQが一人でフンドシを締められるようになっていると思って、様子を見に来たのだがな。」

と、ちょっと失望したような声音でおっしゃいました。

私はH先生に対して、「先生、Q君は形だけならば、ほぼ完全に一人でフンドシが締められるようになっているのですが、水に入って泳ぐにはまだ不安が残る締め込み具合なのです。締める途中で力を入れるべきところの力加減がわかっていないと思ったので、僕が手を添えて教えていたのです。今度はQ君一人だけでフンドシを締めてもらいますから、先生が点検してみてください。」と言いました。

これを聞かれたH先生は、

「そういうことか。ではQ、これから先生の見ている前で、自分だけで六尺フンドシを締めて見せてくれ。締め終わったら、先生が点検するからな。それでは一度フンドシを解いてから、締め方はじめ!」

と、Q君に命じられました。

Q君は緊張した表情を浮かべながらも、力を入れるべきところでは力を入れなが、ゆっくりと六尺褌を締めてゆきました。褌を締め終わったQ君が、「H先生、フンドシを締め終わりました。点検をお願いします。」と申告すると、H先生は、

「Q、お前のフンドシの締め込み手順は完璧に近いぞ。これから、締め込み具合を点検するからな。」

とおっしゃって、Q君の赤フンドシの横ミツや縦ミツを引っ張ったり、後のミツの巻き付け具合を触って点検されていました。

一応点検を終わられたH先生は、私たち3人に向かって、

「昨日の今日1時間足らず練習しただけで、六尺フンドシがこの位しっかり締め込めるようになったとは、上出来だ。SbとMtの教え方が良かったのだろうが、Qもよく頑張ったな。今の締め込み方なら、上に競泳パンツを穿いている限り、水泳訓練の間にフンドシが解けてくることはあるまい。さすがにスポーツ万能を自称するだけあって、飲み込みが早いな。

ただ、昨日訓練後に指示したように、明日の訓練では1コマ目が終わったら男子全員六尺フンドシの締め直しをさせるからな。Qの今の締め込みスピードではちょっと厳しいかもしれないから、家でもう少し、そうだな、3分以内にフンドシを締め込めるようによく練習しておけよ。

SbとMtは、本当にご苦労だった。短時間に良くここまで教えてくれた。『良くやった!』と誉めておくぞ。もうじき5時になるから、3人とも早く服を着て帰る用意をしろ。屋上の出入口には、夜は施錠しなければならんからな。」

と、おっしゃいました。

僕たち3人は、慌てて赤褌を解いて制服を着ると、H先生の後について教室におりました。もう誰も居ない教室に帰ると、Q君がMt君と私に向かって改まった口調で、「Mt君、Sb君、今日は本当にありがとう。放課後にフンドシの締め方を教えてもらって、本当に助かったよ。これで明日は、自信を持って赤フンドシを締められるぞ。本当にありがとう。」と、うれしそうに礼を言いました。

続けてQ君は、

「ちょうど誰も居ないから、お前たち二人に聞くのだけれども、水泳パンツを穿いても良いのにどうして二人とも赤フンドシだけで泳いでいるのだ? チンコと金玉がやっと隠せるだけのあんな狭い幅で、前側以外は紐みたいに細い赤フンドシだけで、良く平気で女子の前に出られるな。俺は、これから訓練中ずっと赤フンドシだけで泳げと言われたら、恥ずかしくてとても無理だ。昨日赤フンドシだけで最後の点呼を受けたとき、一番後に居ても恥ずかしかったぞ。

それと、今日気が付いたのだけれど、お前たち二人ともチンコの皮がしっかり剥けているよな。普通中二でそれはないだろう。前の学校では、俺の同学年には誰も居なかったぞ。」

と、私とMt君に尋ねてきました。

まずMt君がQ君に向かって、

「俺たち二人だけじゃなくて、二年生で赤フンドシだけで泳いでいる者は、ほとんどが小学生の時からずっとフンドシだけで泳いでいて、その方が泳ぎやすいから赤フンドシだけにしているんだ。明日よく見てみろ、上級者男子の半分くらいは、赤フンドシだけで泳いでいるぞ。Qは転校生だから知らないだろうが、附中男子の指定水着は、本来赤六尺フンドシと決まっているのだ。生徒手帳をよく読んでみろ、書いてあるから。チンコの皮が剥けているのは、Sb、説明してやってくれ。俺じゃうまく説明できないからな。」

と、答えました。

またMt君が私に面倒ごとを押しつけてきたなと思いながら、私は少し気恥ずかしかったけれども、

「僕とMt君のチンコの皮が完全に剥けているのに気付いたのか。去年の水泳訓練では、プールの水を汚さないためだといって、一・二年生男子全員が赤フンドシだけで泳がされたんだ。そのときにH先生から、小学生の時からフンドシだけで泳いできた『六尺組』を中心に、一年生全員が、水を少しでも汚さないために、水泳訓練の前日はチンコの皮をむいてしっかり亀頭の汚れを洗い落としておくようにと指導されたのだ。その指導に従った六尺組のほとんどは、そのときにチンコの皮がしっかり剥けたままになったということだよ。」

と、Q君に答えました。

私たち二人の答えを聞いたQ君は、驚いたようなあきれたような顔をして、

「ふう~ん、そういうことなのか。この学校は、九州の学校じゃ聞いたこともないような、変な決まりや変な指導があるし、生徒も変な奴が多いんだな。俺は、小学生の頃からこんなものの言い方をするので、ほとんどの男子から尊大な奴だと敬遠されるんだけど、お前たち二人はそんな俺を助けてくれた。昨日H先生が言っていたように、二人ともいい男なんだな。俺はこんなものの言い方しか出来ないけれど、これからも助けてくれるよな。頼むぜ、お願いだ。」

と、言いながら頭を下げてきました。

Mt君と私は、クラスの男子からは完全に浮いている尊大なQ君が、頭を下げてまで頼んできたことにかなり戸惑いました。しかし、この二日間六尺褌の締め方を教える中で、Q君は決して根っから尊大なのではなくて、転校してきた附中で自分を認めさせたいためにより尊大な態度を取っているらしいことが、私にもMt君にもいくらかわかってきたので、この頼みに対して、結局「同級生じゃないか、これからもお互い助け合っていこうぜ。」と、答えることになりました。

この後3回の水泳訓練では、水泳がうまくなってスポーツ万能だとクラスメイトに認めさせたいQ君は、初級者区画で必死に練習して、最終日の泳力判定試験では少しでも上の級を獲得したいからと、赤フンドシだけになって泳ぐことまでして、私と同じ赤線一本の白帽のレベルに到達しました。そして、Mt君や私と一緒に、白褌一本で泳がされた夏休みの臨海水泳訓練にも参加しました。

次回は、8月初めに行われた希望者限定の臨海水泳訓練に向けて、夏休みに入ると直ぐに行われた、50mプールを使っての時間游ぎ訓練のお話をしようと思います。

運営者より
海どじょうさん,こんにちは。今回も楽しい証言をどうもありがとうございます。今回は六尺褌初心者Qさんについてのお話の続きですね。指定水着が褌の学校に転入してきた心細い生徒と,それを助ける生徒たちとの暖かい友情が,細かい心理描写とともに再現されていて,読んでいて大変感動いたしました。プールの水を汚さないようにとの口実で恥垢を洗うよう指導されていたのは,もしかすると粋な性教育だったのかも知れませんね。今後ともよろしくお願いします!

証言 37: 2017/06/11
ハンドルネーム
海どじょう
年齢 性別 職業 居住地
66歳 男性 年金生活者(兼団体職員) 山口県
表題
褌の自分史19(六尺褌初心者Q君のこと (3) )
本文

昔話専門の海どじょうです。今回も、2年生になった4月に九州の大学附属中学から転校して来たQ君のことを書いてみます。

私とMt君が六尺褌の締め方を教えたC組の六尺褌初心者Q君は、附中に来て初めて黒競泳パンツの下に赤六尺褌を締めることになったのです。彼は、訓練初日、私に六尺褌の締め方を教わった直後の最終人員確認点呼を、指導教官のH先生に命令されて赤褌一本で受けました。彼はこの点呼の時のことを、「とても恥ずかしかった、お前たち二人みたいに、赤褌だけでずっと水泳訓練を受けるなんて、とても無理だと思った。」と、翌日私とMt君に告白してくれました。

Q君は、定例の水泳訓練の期間中、何とかスポーツ万能の評価を取り戻そうと、私と一緒の初級者区画で、3,4人残っていた男子赤帽組に混じって必死に平泳ぎの練習をしていました。

訓練1日目は、赤帽組の男女と一緒に比較的おとなしく練習していたQ君でしたが、2日目になると周りの赤帽組は眼中にないかのように、他の赤帽たちを押しのけるようにガシガシ泳ぎ始めて、初級者区画指導教官のT先生とHr先生から注意を受けていました。

訓練2日目の3コマ目に行われた初級者区画での泳力確認試験では、Q君はプール短辺を一度も足を着かずに往復して、見事白帽に昇格しました。それでおとなしくしていれば良かったのですが、その後Q君は、初級者区画主任教官のT先生に頼み込んで、無線白帽組に混じってプール短辺2往復にも挑戦したのです。

まだ平泳ぎの形が不安定なQ君は、案の定2往復目に入るところでターンに失敗して、しこたま水を飲んで挑戦は失敗に終わりました。これを見ていた初級者区画のC・D組生徒は、女子を含めて、日頃「スポーツ万能」をひけらかして尊大なQ君が失敗したのを喜んで、どっと笑いました。

ところがQ君は、3日目の訓練で無線白帽組に混じって練習するようになると、他の白帽組を無視して勝手にガシガシ泳いで、女子に対しても平気で追突したり、意図的ではないにしろ平泳ぎの掻き手で体に触ったりして、一緒に泳いでいる無線白帽組全員のひんしゅくを買うとともに、指導教官のT先生とHr先生から何度も注意されていました。

訓練最終日、無線白帽組から押し出されたQ君は、補助指導教官のHr先生と一緒に、初級者区画で練習している白帽に赤線1本組の私やB組六尺組のMk君を含む9人グループにやって来て、一緒に練習させてくれと言い出しました。このグループの男子6人のうち私以外の5人は、多かれ少なかれQ君を嫌っていたので、彼を仲間に入れるのを断固拒否しました。

それでもQ君は仲間に入れてくれと粘るし、補助指導教官のHr先生も「頼むからグループに入れてやってくれ。」と頼んでこられるので、とうとうグループリーダー格のB組六尺組のMk君が、これならQ君もあきらめて引き下がるだろうと考えて、

「Q、お前が俺たち4人と同じように、今日一日赤フンドシ一本で泳ぐと約束するのなら、仲間に入れてやっても良いぞ。」

と条件を出しました。

この条件を聞いたQ君は、一瞬戸惑いの表情を浮かべましたが、わずかに考える素振りを見せた後、

「そんなことで仲間に入れてくれるのか。よし、今日は赤フンだけで泳ぐぞ! 俺より上手な奴と練習しないと、早く上達できないからな。」

と言うと、サッサと黒競泳パンツを脱いで赤六尺褌一本になり、脱いだ競泳パンツをこれ見よがしに補助指導教官のHr先生に預けてしまいました。

まさかQ君がすんなり条件を呑むとは思っていなかったので、白帽赤線1本組の男子6人はびっくりしましたが、今更駄目とも言えないので、条件を出したMk君が、

「Q、良い覚悟だ! 俺たちのグループに入れてやる。俺たちの最後尾に入って、女子3人の後で、俺たちと調子を合わせて泳ぐんだぞ。」

と、私たちのグループに入って練習することを認めました。

私とMk君以外の男子4人は、六尺褌初心者のQ君が独力で締めた褌なら、訓練で長い時間続けて泳いでいるうちに大きく緩んで解けてきて、最後には女子にフリチン姿を曝すことになるはずだ。それが何度か重なれば、尊大なQ君も恥ずかしさに耐えられなくなって、また水泳パンツを穿くと言い出すだろうから、そのときグループから追い出すことが出来ると考えていたようですが、結局そうはなりませんでした。

訓練4日目の1コマ目、白帽赤線2本組9人は、平泳ぎで全く足を着かずにプール短辺を、9人が調子を揃えてゆっくり4往復する練習を始めました。最後尾について泳ぎ始めたQ君は、まだ泳ぎが不安定でゆっくり泳ぐことが出来ないため、15分間泳いでいる間に、何度か前を泳ぐ女子に追突してしまいました。その都度女子3人は足を着いて泳ぎを止めざるを得なくなったため、完全に腹を立ててしまった彼女たちは、訓練1コマ目が終わって岸に上がったところで、初級者区画主任教官のT先生に、白帽赤線1本組のグループからQ君を絶対に外して欲しいと強硬に要求しました。

一方、1コマ目の訓練が終わって、Q君がプールサイドに上がるのを水の中から見上げていた私は、彼の褌の縦ミツがかなり下に弛んでいるのに気が付きました。私もプールサイドに上がって、Q君を含む初級者赤フン組5人が集まったところで、お互いの褌の前袋の状態を見ると、今日初めて赤フンドシ一本で泳いだQ君の前袋はひときわ幅が狭くなっており、さらに大きく弛んでいるために隙間からチンコと金玉が覗けて見えていました。

1コマ目終了後の休憩時間に、男子全員がプールに尻を向けて、水泳パンツ組もパンツを脱いで、赤褌を解いて一枚布の形に広げてから、一から締め直しを行いました。私はQ君が褌を締め直す動作を注意して見ていましたが、スピードは遅いものの、一応あと1コマの訓練には耐えられるくらいに固く締め込んであるように見えました。

男子全員が赤褌を締め直した後で、褌の締め込み具合の点検に回ってこられた初級者区画主任教官のT先生に向かって、私とMk君以外の白帽赤線1本組男子が、

「T先生、Qは泳ぎが不安定でスピードの調節が出来ないので、僕たち9人がペースを揃えて泳ぐ練習をする邪魔になります。Qは、本来の無線白帽組と一緒に練習させて下さい。女子も、練習の妨害ばかりされていると怒っています。先生からQに命令して下さい。」

と、口々に訴えました。

これを聞いたT先生は、直ぐに私たち白帽赤線1本組の男女9人を周りに呼び集めると、

「お前たち、Qがお前たちのグループに入れてくれと頼んだとき、今後赤フンドシ一本で泳ぐのならグループに入れてやると言ったな。Qが無線白帽に昇格したばかりで、泳ぎがお前たちより下手なことは、グループ全員十分わかっていたはずだ。Qは、赤フンドシだけで泳ぐという約束を守っているのだから、お前たちも、Qが一緒にちゃんと練習できるように、皆で気をつけてやる必要があるのじゃないかな。

先生から提案する。Qに隊列の先頭を泳がせて、その後にMk、女子3人、男子4人、最後尾Sbの順に隊列を組んで泳げ。Mkは、Qとの間隔が、常に1身長くらいに保てるように、他の8人をリードして泳げ。最後尾のSbは、Qに追突されても止まって立ち上がらずに泳ぎ続けろ。損な役回りだが、1コマ15分間だけだ。Sbなら出来るだろう。

Qは、Sbに追突しそうになったら、一旦立ち上がって隊列の外に出ろ。隊列が折り返してきたときに、Sbの後に入れてもらえ。いつもかつも力任せに泳ぐのではなくて、もう少し平泳ぎの形に注意して、力を抜いて、ちゃんと前を見てゆっくり泳ぐように、自分で工夫しろ。自分一人が上達することばかり考えずに、他の者、特にお前にフンドシの締め方を教えてくれたSbには迷惑を掛けないように、少しは気を遣え。

白帽赤線1本組9人は不満だろうが、2コマ目、あと15分だけQと一緒に泳いでやってくれ。その後は今年最後の泳力試験だからな。もう時間だ、さあ全員練習にかかれ!」

と、穏やかだが断固とした口調で命令されました。

Q君が先頭に立って泳ぎ、私が隊列の最後尾を泳ぐと、Q君に追突されるのは私だけということになるので、グループの女子3人と男子5人は一応納得して、2コマ目の練習を始めました。

1コマ目の練習では、白帽赤線1本組リーダー格のMk君が先頭にたち、プール短辺を4往復するたびに、一度立ち上がって水中で2、3分休んでからまた泳ぎ始めていました。ところが今度は、わざと6往復するまで休まず、Q君が先頭を泳ぎ切れなくなって足を着くと、Mk君は「Q、続けて泳げないなら、脇によって休んでいろ。泳げるようになったら、俺とSbの間に入れ。」と言って、本来の白帽赤線1本組の練習を優先させていました。

Q君も、さすがに私には気を遣ってくれたのか、訓練2コマ目では、ハッキリ分かるほどQ君が私に追突して来たのは、疲れて前をよく見る余裕がなくなったらしい、2コマ目後半に2回だけした。

2コマ目が終わってプールサイドに上がったとき、時間一杯力任せに泳いでいたQ君の赤褌の前袋は、またグッと幅が狭くなっていましたが、弛み具合は前ほどではなく、横から見てもチンコと金玉がかすかに見える程度でした。Q君は、疲れているのか、自分の褌の状態に気付いていない様子で、他の赤フン組のように直ぐに褌の増し締めを始めようとはしませんでした。

とうとう見かねた私は、Q君のそばに行って、

「Q君、この後は訓練最後の泳力試験だよ。Q君は、プール短辺2往復に挑戦して、白帽に赤線1本をつけたいのだろう。ここでフンドシの増し締めをしておかないと、もし試験中にフンドシが解けたり、水から上がったときにフンドシがずり落ちたりしたら、いくら2往復出来ても試験は不合格になるよ。さあ、早くフンドシの増し締めをしなきゃ。」

と、小声で注意しました。

私の注意で、Q君はやっと自分の褌の状態に気付いて、プール側を向いたまま、慌てて褌を解いて一から締め直し始めました。これには私もびっくりして、「Q君、フンドシを締め直すのなら、後ろを向かなくては駄目だ。今のままじゃぁ、チンコと金玉が女子に丸見えだぞ。」と言いながら、Q君とプール水面の間に割って入りました。私の声を聞いたMk君もQ君の前に一緒に立って、女子からフリチンのQ君が見えないようにするのを手伝ってくれました。

Q君は、自分の赤褌を締め直すのに夢中になっていたようで、褌を締め直し終わったところで、ようやく自分の前に立っている私とMk君に気付いて、

「Sb君、Mt君、俺がフリチンになっているとき、女子から見えないように前に立っていてくれたんだな。すまない、本当にありがとう! 俺はフンドシを締め直すのに夢中で、女子の方を向いているのを完全に忘れていた。助かったぞ。Sb君、ついでに俺のフンドシの締め込み具合点検してくれないか。」

と言いました。

私がQ君の赤褌をあちこち引っ張っ締め込み具合を確認しようとすると、横ミツも縦ミツも間に指が入らないほどしっかり締め上げられていました。私が、

「Q君、こんなに固く締め込んであれば、泳力試験中にフンドシが解けてくることは絶対ないよ。でも、こんなに固く締め上げて痛くはないの?」

と尋ねると、Q君は、

「確かに金玉と尻の穴が少し痛いけれども、このくらいの方が気合いが入って、泳力試験ではうまく泳げそうだ。俺は、絶対に短辺2往復を達成して、白帽に赤線1本付けてみせるからな。そうすれば俺も、SbやMt一緒に臨海水泳訓練行けるだろう。Sb君、Mk君よく見ていてくれよ。」

と、力を込めて答えてくれました。

2年生の水泳訓練最後の泳力試験では、初級者区画の無線白帽組は、全く足を着かずにプール短辺を2往復出来るかの確認が行われました。この試験には無線白帽組の半分強が合格して、白帽に赤線一本を縫い付けること許され、夏休み中の臨海水泳訓練に参加する資格も獲得しました。もちろんQ君もこの試験に合格して、素直に大喜びしていました。

私やMk君が属するこの試験前から白帽赤線1本組だった9人は、本来ならば白帽赤線2本組に昇格するための、10分間の時間泳ぎの試験を受けるはずでした。しかし、初級者区画の無線白帽組までの試験が終わったあと時間が足りなかったので、9人が一列になって初級者区画内を7分くらい反時計周りにグルグル泳いだところで、暫定的に白帽赤線2本組への昇格をみとめられ、臨海水泳訓練に向けて夏休み初頭にプールで行われる泳力強化訓練初日に、再度10分間の時間泳ぎの確認試験を受けることになりました。

最終日の訓練が終わって、着替えのために屋上に上がったところで、Q君は私とMt君に向かって、

「お前たち2人に六尺褌の締め方を教えてもらったとき、なぜ2人は水泳パンツを穿かずに赤フンドシだけで泳いでいるのか尋ねたよな。あのとき2人は、小学生の時からフンドシだけで泳いでいて、赤フンドシだけの方が水泳パンツよりずっと泳ぎやすいからだと答えたけれども、俺は今ひとつ理解できなかったんだ。

でも、今日俺も赤フンドシだけで、Sb達のグループと一緒に泳いでみて、確かに水泳パンツを穿かずにフンドシだけで泳いだ方が、長い時間泳ぐときにはずっと楽だと実感したんだ。最後の泳力試験、俺は赤フンドシだけで泳いだから、白帽赤線1本組になれたと思っているんだ。

これでお前たち2人と一緒に臨海水泳訓練に行けるぞ。午後の学活(ホームルーム)が終わったら、H先生に臨海水泳訓練の参加申込をするからな。」

と、訓練初日には赤褌だけで泳ぐことを嫌がっていたのと打って代わって、赤褌一本で泳ぐことに自信を持ったように話してくれました。

私とMt君に対するQ君の話しぶりは、水泳訓練前の尊大な話し方ではなく、六尺褌の締め方を教えたときの友達同士としての話し方だったので、私もMt君も、これなら夏休み初頭の時間泳ぎの泳力強化訓練でも、何とか周りとうまくやれるのではないかと考えました。

それに六尺褌一本で泳ぐことの効用をQ君が認めてくれたのは間違いないので、これで進んで六尺褌だけで泳ぐ仲間が一人増えたと思った私たちは、Q君に、「Q君も、水泳訓練のとき六尺フンドシだけで泳ぐ仲間になってくれたんだな。夏休みの臨海水泳訓練、白フンドシだけでしっかり頑張ろうぜ。」

と言いました。

Q君は、白褌だと水に濡れたら中身が透けて見えるという認識がないようで、

「おう、俺も白フンドシだけでしっかり泳ぐつもりだ。お前たち二人と一緒なら、訓練が少しぐらい厳しくても、乗り切っていけるはずだ。お互い頑張ろうな。」

と、答えてくれました。

Q君は、夏休み初頭に行われたプールでの泳力強化訓練の4日間は、おとなしく泳いでいましたが、本番の臨海水泳訓練では、また色々と騒動を起こしてくれます。それは今後折に触れて書いてゆくことにします。

運営者より
海どじょうさん,こんにちは。今回も楽しい証言をどうもありがとうございます。六尺褌初心者Qさんのお話の続きですが,Qさんと他のふんどし仲間との奇妙な(?)友情がユーモラスに語られた青春物語で,とても楽しく拝読しました。臨海水泳訓練でのQさんの「騒動」を楽しみにしております。今後ともよろしくお願いします!

証言 38: 2017/08/01
ハンドルネーム
海どじょう
年齢 性別 職業 居住地
66歳 男性 年金生活者(兼団体職員) 山口県
表題
褌の自分史20 (2年生夏・臨海水泳訓練に備えて)
本文

昔話専門の海どじょうです。今回からは、夏休みに入った8月上旬に、瀬戸内海の海水浴場で行われた臨海水泳訓練と、それに備えて夏休み初頭にプールで行われた時間泳ぎの訓練について書いてゆくことにします。

この臨海水泳訓練は、附中開校以来初めてのテストケースとして、8月上旬に瀬戸内海の海水浴場で、2年生のうち希望者70人を対象にして、4泊5日の日程を目一杯使って水泳力の強化を図ることを目的に行われました。水泳訓練は、毎日午前午後3時間半ずつ、実際に海に入って泳ぐのは各2時間半程度、参加者個人個人の泳力強化を狙って、みっちり鍛えられました。特に男子は各人の技量に応じて、全員死にそうになるまで泳がされて、夕方宿舎に帰るときには、全員乱れた白褌の前袋を直す気力もなくるほどでした。特に黒帽昇格直前の上級者は、技量が上がるほど訓練内容が厳しくなって、中級になったばかりの白帽に赤線1本の私たちの倍以上はしごかれていました。

「褌の自分史14」に書きましたように、宿泊施設の収容能力と指導教官の人数に制約があったため、参加者定員は2年生180人の4割に満たない70人とされていました。しかし、毎日毎日5時間も泳がされて、しかも男子は、幅15cmの細い赤六尺褌一本だけで、一般海水浴客が見ている前で泳がなければならないということで、プールでの水泳訓練開始前の締切日までに申し込んだのは、男女合わせても定員に満たない人数でした。

さらに、7月に入ってからの現地調査で、海水浴場の水の濁りがかなりひどい日が多いことがわかったため、男子は指定水着の赤褌ではなく、水に濡れるとチンコと金玉が透けて見える白褌で泳がされることに変更されました。プールでの水泳訓練初日にこの変更を聞かされて、男子参加申込者のうち水泳パンツを穿いて水泳訓練を受けている者ばかりでなく、赤フン組からも参加を辞退する者が出て来ました。参加者があまり少なくてはまずいと言うことで、プールでの水泳訓練最終日まで追加募集と勧誘が行われましたが、水泳訓練最終日の放課後に開かれた臨海水泳訓練最終説明会に集まったのは、男子35、6人強、女子31、2人しかいませんでした。

一学期の終業式の日、放課後に臨海水泳訓練参加者を集めて、7月22日(水)から25日(土)までの4日間、 大学のプールを借りて臨海水泳訓練本番に備えて行われる、時間泳ぎを中心とした泳力強化訓練の説明が行われました。この時初めて、男子参加者には白新モスを半分に裂いた幅18cm弱、長さ220cm強の白六尺褌が2本ずつ、女子参加者には同じく白新モスを2m弱に切って半分に裂いただけの腰に巻く白帯が2本ずつ配られました。同時に、それまでの水泳訓練のとき被っていた赤白リバーシブルの水泳帽とは異なる、もっと深さが浅くて後ろ頭で紐を締める、丈夫な白木綿生地のお椀型水泳帽が配られました。

このプールでの4日間の訓練は、毎日13時30分に体育館に集合、着替えと準備体操の後14時から16時30分までプールで時間泳ぎの練習、16時30分に水から上がって、整理体操と着替えを済ませて17時に解散、というスケジュールで行われました。この訓練の目的は、時間泳ぎ中心の泳力強化だけでなく、臨海水泳訓練本番で、海岸の強い日射にいきなり長時間裸体を曝すと、皮膚の弱い者は日焼けがやけどになる恐れがあるため、まずはプールで通常の水泳訓練より長い時間日光に当たって、皮膚を日射にならしておくのも目的だと教えられました。訓練が行われた4日間、7月22日は晴、23日は晴時々曇、24日は曇一時晴、25日は晴と好天に恵まれた上に、午後の強い日差しの中で水に入って泳ぐ訓練と訓練の間の休憩時間が10分以上取られていたため、毎夏地元の川での水遊びで日焼けには慣れている私でも、毎日訓練が終わった時には少し日焼けの痛みを感じるほどで日焼けしてしまいました。訓練が後半に入った頃には、半幅の白褌と水泳帽しか身に着けていない男子は全員お尻まで日に焼けして、最終日の訓練終了後に褌を解くと、茶色に日焼けした体に褌の白い日焼け跡がかなりクッキリと付いていました。

訓練初日の7月22日(水)の13時過ぎに体育館入口に行ってみると、既に訓練参加者が男女10人近く集まっていました。そこで待っていらした体育副主任のN先生と、通常の水泳訓練の時初級者区画補助教官だったHr先生は、まず一人一人顔と名前を確認して参加者名簿にチェックを入れて行かれました。参加者が全員揃ってクラス別に分かれたところで、小さな蒲鉾板くらいの板に、表面にはクラスと名前を黒ペンキで書き、裏面には「附属山口中」と男子は青ペンキで、女子は赤ペンキで書いてあるものと、板の片端に開けてある穴に通して首から下げるようにする為の長い紐を一本ずつ、各人に配って行かれました。

板と紐が全員に行き渡ったところで、体育主任のH先生が、

「全員揃ったな。夏休み中の体育館は、運動クラブ(当時は「部活」とは言わなかったし、あくまで生徒の自主的なスポーツ活動という位置づけで、顧問の先生は求められない限り活動には口を出さないのが普通だった。)が練習に使っているから、この時間泳ぎ強化訓練では使うことが出来ない。また、教室も登校日以外は使用禁止になっている。君たちの着替え場所は、1階の理科室(どちらも床がコンクリート張りなので水に濡れても掃除が容易)とする。男子は第一、女子は第二を使ってくれ。六尺や水着に着替えたら、防水シートが敷いてある昇降口から裏庭に出て、直接プールサイドに集合してくれ。そこでもう一度泳力別の人員点検を行う。今渡した名札と紐は、今すぐ板の穴に紐を通して輪を作り首から掛けられるようにしてくれ。これからの訓練では、六尺や水着に着替えたら必ずこの名札を首から下げて、水に入るときはプールサイドに用意してある名札掛けに名札を掛け、水から上がったら必ず名札を取って首に掛けておくように習慣づけてくれ。本番の臨海水泳訓練でも同じようにしてもらうぞ。人員確認のための大切な手段だから、面倒くさがらずに必ず守るように。遊泳中に一人だけ水から上がって小便に行くときも、同じようにするのだぞ。 それでは、全員六尺や水着に着替えて、速やかにプールサイドに集合しろ。総員かかれ!」

と指示されました。

この訓練に参加する男子35名強は、第一理科室に行くと、終業式の日に支給された白六尺褌を締め込みました。参加者の8割近くは、体育の授業としての水泳訓練でも赤六尺褌だけで泳いでいた赤フン組なので、手慣れた手つきで素早く白褌を締めると、首に名札を下げてから、この訓練では男子もプールサイドへの持ち込みを許された薄手のバスタオルを手にして、プールに向かいました。プール入口のシャワーは、この日もあまり良く出ていなかったので、男子はバスタオルを濡らすまいとして、さっと駆け抜けてプールサイドに集合しました。

時間泳ぎ強化訓練では、参加者をなるべく臨海水泳訓練と同じように行動させるため、男女一緒に校舎側のプールサイドに集合すると、まず泳力別に大きく2グループに分かれてから、クラス順に人員確認のための点呼を行い、名札を名札掛けの所定の位置に掛けてから、準備体操としていつもの水泳体操を行いました。

この時間泳ぎ強化訓練では、最初の2日間はプールを横半分に仕切って、浅い方の25mでは白帽に赤線2本組までが、とにかく途中足を着かずに15分~30分間続けて泳ぐ訓練を、足の着かない深い方の25mでは白帽に赤線3本組以上白帽に黒線2本組(これが2年生の水泳最上級者)までが、隊列を整えて30分間続けて泳ぐ訓練と、平泳ぎ以外の速泳と横泳ぎの形の練習を行いました。3日目以降は、プール全体を使って、壁に近い側に白帽に赤線2本組までが縦一列に、その内側に白帽に赤線3本以上白帽に黒線組が縦一列になって、最低30分間、全員が一定のペースでぐるぐる反時計回りに廻游する訓練を行いました。

初日の1コマ目は、参加者全員がまず体を慣らすために、水に入ってそれぞれのペースで15分間泳ぎました。浅い方の初・中級区画では、全員が順次水に入ってプール短辺を足を着かずにできる限り多く往復しました。途中プールの壁のところで何度か足を着いたにしろ、白帽赤線1本、または2本組は全員何とか15分間泳ぎ続けることが出来ました。泳ぎ終わってプールサイドに上がった男子参加者は、お互いに水に濡れた白褌の前袋を見合って、前袋からチンコと金玉に加えて陰毛までしっかり透けて見えていることに気付きました。

小学生の時から六尺褌一本で泳いできた「六尺組」の中でも、瀬戸内海沿いの田舎小学校出身で白褌で泳いでいた私、Ky君、Mt君、Tm君の4人以外は、水に濡れた白褌の透け具合を間近に実見したのは初めてのため、口々に、

「白フンドシは濡れるとチンコと金玉が透けて見えると聞いていたが、こんなに透けて見えるのか。チンコの毛まで透けて見えるぞ。俺たちは、フンドシだけで泳ぐのには慣れているけれども、これはかなり恥ずかしいな。」

と、ささやき合っていました。

男子が白褌の透け具合をささやき合っているのを耳にした女子の一部が、近くにいる男子の方に目を向けて前袋の状態を見たところで、

「すごい! 男子の白フンドシの前は、完全に透けてるわ。フンドシは布が隠している部分が元々少ないけど、白だと全部透けて見えるんだ。男子は恥ずかしくないのかしら? かわいそう~。」

と、こちらもかなり大きな声でささやき合っていました。

女子のささやき声が聞こえた男子のうちで、体育の授業としての水泳訓練では赤褌の上に水泳パンツを穿いていた数人が、たまりかねたように、

「俺たちだって恥ずかしいわい! H先生、なぜ今日からは白フンドシなんですか! フンドシだけで泳ぐのは仕方がないにしても、透けて見えない元の赤フンドシに戻してください!」

と大声で、女子とH先生に向かって言いました。

男子と女子のささやき声を素知らぬ顔をして聞き流していた附中で一番怖い教務主任のM先生も、この大声にはたまりかねて、

「馬鹿者っー! 海の臨海水泳訓練では、なぜ男子は白フンドシ、女子は白帯を着用させるのかは、これまでに二度、安全確保のために必要だと詳しく説明してあるだろう。男子も女子も、水に濡れた白フンドシが透けて見えることを、コソコソささやき合うな。この日差しなら、フンドシは直ぐに乾いてきて、透けて見えなくなる。それより、男子はそれぞれ近くのスタート台の後ろに行って、全員緩んだフンドシを一度解いてから固く締め直せ。これからの訓練中に、もしフンドシが解けたら、その後はずっ全裸で泳がせるぞ。休憩時間は10分間と長くしてあるが、無駄話をしている暇があったら、サッサとフンドシを締め直してこい。」

と、厳しい声で注意されました。

小学生の時から六尺褌一本で泳いできた六尺組のほとんどは、M先生のこの注意がある前に、既に近くのスタート台の後に行って白褌の締め直しを始めていたので、そのまま締め直しを続けました。M先生から叱責を受けた水泳パンツ組だった10人足らずは、慌ててプールサイドの後にやってくると、大急ぎで白褌を解いて締め直し始めました。六尺組のほとんどはチンコの皮をしっかり剥いているのに比べて、彼らのチンコは全員皮を被ったままだったので、先に褌を締め直した六尺組の間から、「なんだ、チンコの皮も剥けていないのに、こいつら何を恥ずかしがっているんだ。」というささやきとともに軽い失笑が漏れていました。

男子全員が白褌を締め直し終わって元の位置に戻ったところで、今度はH先生が男女双方に向かって、

「男子も女子も、男子の白の六尺が水に濡れると、中身がしっかり透けて見えることに驚いたようだが、特に女子は、水から上がってきた男子の六尺の前をじろじろ見るんじゃないぞ。男子も、六尺の前袋が透けてチンコと金玉が見えるからといって、恥ずかしがってこそこそ行動するんじゃない。M先生が言われたように、この天候なら陸上にいれば、直ぐに六尺が乾いてきて透けて見えなくなる。いちいち気にするんじゃんない。さあ、これから本格的に時間泳ぎの泳力強化訓練を始めるぞ。プールの浅い方で泳ぐ白帽に赤線2本までの組は、今日は途中で少し足を着いても良いから30分間、2列になって平泳ぎで、プールの外周に沿って反時計周りにぐるぐる泳いでもらう。プールの深い方で泳ぐ白帽に赤線3本または黒線の組は、同じく30分間、2列になって平泳ぎで、全員の速度を合わせて、プールの外周に沿って反時計回りにぐるぐる泳いでもらう。泳いでいる途中で調子が悪くなった者は、列から離れ側壁の排水溝に掴まって指導教官にその旨申告してから、プールサイドに上がれ。ただし、ちょっと疲れたくらいでプールサイドに上がって休もうとするんじゃないぞ。それでは、それぞれの区画の主任教官から詳しい指示を受けた上で、2コマ目の訓練にかかれ。」

と、指示されました。

この後、プールでの時間泳ぎ泳力強化訓練の途中で起こった、男子の白褌と女子の白帯にまつわる出来事は、次回にお話ししたいと思います。

運営者より
海どじょうさん,こんにちは。今回も楽しい証言をどうもありがとうございます。白六尺褌は水に濡れると透けるので,思春期の少年少女にとってはさぞかし恥ずかしかったことでしょう。子どもたちの心情が手に取るように分かります。現在でも白六尺褌で泳がせる学校はありますが,とある私立中学校では,生徒が抗議したのか,白や薄い色の褌を廃止にしたとのこと。お話の続きが楽しみです。今後ともよろしくお願いします!

証言 39: 2017/10/02
ハンドルネーム
海どじょう
年齢 性別 職業 居住地
66歳 男性 年金生活者(兼団体職員) 山口県
表題
褌の自分史21(2年生夏・臨海水泳訓練に備えて (2) )
本文

昔話専門の海どじょうです。今回も、夏休み中に実施された臨海水泳訓練に備えての、50mプールを使用した時間泳ぎ強化訓練1日目の状況です。

体慣らしのために15分泳いだ後、10分間の休憩時間に、男子全員が多少緩んでいた白六尺褌(新モス半幅、長さ220cm前後)を完全に解いてから、固く絞った上できちんと締め直しました。女子が水着の上から腰に巻いていた新モスの白帯も、水に濡れて緩んで少しずり下がりかけていたので、体育講師の女先生から指導を受けて、全員が固くまき直して、結び余りの端が長く垂れ下がらないように結び位置を調整していました。

訓練2コマ目では、白帽に赤線3本または黒線の上級者30名余りは、全く足が着かない深い方の区画で、2列の隊列を組み、調子を揃えて30分間平泳ぎで外周をぐるぐる廻游する訓練に入りました。

一方私やQ君、Mk君が所属する白帽に赤線1本ないし2本の中級者35名弱は、足が着く部分がある浅い方の区画で泳ぐのですが、まず、初級者区画で泳いでいた白帽赤線1本組の男女9人が、本来の水泳訓練の時に未了になっていた、赤線2本組相当の泳力(途中全く足を着かず10分間泳ぎ続ける)を持っているかどうか確認するための試験を受けることになりました。

このグループ9人は、50mプールの浅い方25mの中級者区画で、Mk君を先頭にして、その後に2年生になって直ぐに白帽赤線1本になった男子2人、1年生の時に白帽赤線1本になっていた女子3人、男子3人(私が最後尾)の順で一列になり速度を合わせて、プールの縁に沿って反時計回りで、10分以上全く足を着かずに平泳ぎでぐるぐる泳いで回りました。

全員、直前の泳者の足と尻を見るだけで、とにかく隊列から遅れないように一生懸命泳ぎ続けていると、もう勘弁して欲しいと思う頃に、体育館側のスタート台に立って見守っていらしたH先生から、

「よし、全員合格だ! もう足を着いて良いぞ、Mkから順に市道側の岸に上がれ

と、声がかかりました。

9人全員が、「やっと終わった。」との思いでプールの底に足を着いて立ち上がり、Mk君を先頭にしてノロノロと市道側の岸に上がりました。

全員が岸に上がると、H先生は受験者9人を周りに呼び集めてから、

「9人ともよく頑張ったな。昇級試験の規定以上に15分間泳がせたが、全員足を着かずに泳ぎ切ってくれた。立派に合格だ! 良くやったと誉めておくぞ。

今日の訓練終了後に、赤の布テープを1本ずつ渡すから、明日までに、水泳帽に今付いている赤線の上側に、5㎜間隔を取って縫い付けてこい。

お前たち9人の2コマ目は、この試験だけとする。休憩時間まであと10分と少しあるが、ゆっくり休んでおけ。

と、穏やかな顔でおっしゃいました。

その後H先生は、校舎側のプールサイドで待機していた白帽赤線2本組と2年生の最終試験で白帽赤線1本組になった男女に向かって、

「これからの残り時間、白帽赤線2本組は、今試験を受けた9人と同じように、プールの縁に沿って、平泳ぎで速度を揃えて、一列になってぐるぐる廻游しろ。先生が『終わってよし!』と言うまで、泳ぐのを止めるんじゃないぞ。

残りの白帽赤線1本組8人は、その後について途中少し足を着いても良いから、時間まで泳ぎ続けろ。あと10分と少しだ。さあ水に入ってしっかり泳げ。

と命令されました。

泳力試験が終わった私たち9人は、他の22、3人がプールに入って、隊列を組み平泳ぎで泳ぎ始めるのを見ていましたが、そのうちに男子6人は、白褌の後ミツ左側の巻き付けを解いて、少し緩くなった褌の増し締めをしようとしました。

褌の増し締めを始めようとした男子6人に気付いて、中級者指導教官のT先生は、

「お前たち、フンドシの増し締めをするのは、ちょっと待て。この訓練は、なるべく海での臨海水泳訓練と同じように行うことにしている。褌の締め直しや増し締めについては、この後の休憩時間に説明するから、前袋が狭くなっているのを広げて形を整えるのは良いが、フンドシの増し締めするのはちょっと待て。

と、強い口調で注意されました。

それから10分くらい経って2コマ目の訓練が終わり、全員が校舎側のプールサイドに上がったところで、H先生から、

「女子は左右のスタート台の所に、男子はプールサイドの中央近くに移動してくれ。これから臨海水泳訓練の時、男子の六尺の締め直しと増し締めをどのように行うか説明する。

と指示されました。

H先生の指示に従って、40人弱の男子生徒全員が、プールサイドの中央付近に集まりました。私が見るとはなしに上級者の前袋を見ると、通常の水泳訓練の時とは違って、全員の前袋が中に寄って相当狭くなっていて、陰毛がかなりはみ出しているうえに、中にはチンコと金玉がやっと隠れている位まで前袋の幅が狭くなっている者もいました。

上級者男子の白褌の様子を見回したところで、H先生は、

「上級者男子も、一気に30分間、全員が調子を合わせて平泳ぎで泳ぎ続けたのは、今日が初めてだ。今までの水泳訓練の時より、全員六尺の前袋が中に寄って幅が狭くなって、陰毛がしっかり見えているぞ。チンコと金玉が危うく見えそうな者もいるな。

今までの水泳訓練では、長くても続けて泳ぐのは20分以内だったので、2年生になってからは、上級者の六尺がこんな状態になることは、ほとんどなかった。それに、今までの訓練では、自分の六尺が少しでも緩んでいると気付いた者は、泳いでいる途中でも指導教官に申告すれば、水から上がって六尺の締め直しや増し締めをしても良いことにしていたから、上級者区画でこんな状態になった者はまず居なかったはずだ。

しかし今日からは、臨海水泳訓練で海で泳ぐ際の時間割に従って、、訓練の始めと終わりに、体慣らしのために15分ずつ泳がせるとき以外は、一度水に入ったら必ず30分間は泳ぎ続けてもらう。海での訓練中は、安全管理のために常に団体行動を取らせるから、途中で一人だけ岸に上がることは、よほどの事故でない限り認めないからな。今までのように六尺が多少緩んだからと言って、その都度岸に上がって締め直すことは、今後は出来ないと思ってくれ。

今日は全員、このままでは六尺が完全に解けてしまうというギリギリまで、頑張って泳いでみてくれ。泳いでいる途中で六尺が解けてしまうか、水から上がったところを指導教官の我々が見て、これはもう駄目だ、解ける寸前だと認めるまでは、休憩時間中に六尺の締め直しや増し締めをすることは許さんからな。泳いでいる途中で六尺が解けた者は、そのコマが終わるまでは全裸で泳げ。ただし、六尺が解けたからと言って、特にペナルティを与えることはしない。

今日は、今の自分の締め方で六尺が解けるまでどの位泳げるかを確認するつもりで、少し緩んで出来たと感じても、本当に六尺が解けてしまうギリギリまで泳ぎ続けていろ。

お前たちの六尺の状態は、全員直ぐにも解けそうだというほどではないから、今は前袋を広げて形を整えるだけにしろ。この休憩時間中は、締め直しも増し締めも許さんぞ。

と、今後の方針を具体的に指示されました。

H先生の指示内容が、従来のプールでの水泳訓練時とはほとんど真反対のように聞こえたので、六尺組(小学生の時から六尺褌だけで泳いできた生徒達)12人はびっくりしましたが、直ぐに六尺組のリーダー格だったC組のMt君とD組のSa君が、皆の疑問を代弁する形でH先生に向かって、

「先生、今までの水泳訓練では、フンドシが緩んできたと思ったら、各人がなるべくこまめに申告して、適宜フンドシの増し締めや締め直しをするように指示されていました。今の指示は、それと反対のように思えますが、なぜそうなったのですか。

と、大声で尋ねました。

Mt君とSa君の質問を受けたH先生は、そういう質問が出ることを予想していらしたようで、

「うむ、MtとSaのような疑問が生じるのはもっともだ。これかから理由を教えるから、男子だけでなく女子も良く聞いてくれ。

お前たち67人が参加する臨海水泳訓練は、8月上旬に光市の海水浴場で行う。一般客も大勢いる海水浴場だから、訓練中の安全を確保するために、お前たちには常に集団行動をとらせて、人数確認がなるべくやりやすいようにしておくことが必要だ。今日お前たちに渡した紐付きの木札、『命札(いのちふだ)』という物だが、これも人数確認のための一つの道具だ。

また、この訓練の目的は、なるべく長い時間、全員が一定のペースで泳ぎ続ける能力を養うことだから、一度海に入ったら最低30分間は集団で泳ぎ続けさせることにしている。要するに、男女ともよほどの事故でない限り、訓練時間中は原則として単独行動は認めなから、男子一人一人が随時陸に上がって、六尺の締め直しをすることは認められないということだ。

もう一つ、訓練場の海水浴場には一般客が大勢いて、附中が海に入って訓練する場所は海水浴場のはずれだとは言え、白フンドシしか身に着けていない中学生男子の集団は、一般客の関心を引く存在だと言うことを忘れてはいけないぞ。

今までの水泳訓練では、男子が六尺を締め直すときには、女子には反対側を向かせて、男子のフリチンを見せないようにしてきた。今回の男子参加者の中で、プールサイドで六尺を外して締め直すのを恥ずかしがる者はいなかったと思う。

しかし、海水浴場で一般客が大勢いる前でも、完全に六尺を外して全裸になってから締め直す度胸がある者が、この中に何人いるかな? 要するに、臨海水泳訓練中、六尺を締め直す回数をどこまで減らせるか、そのためには、今のお前たちの締め方で、ギリギリどのくらいまで六尺を締め直すことなく泳ぎ続けられるかを、これからの訓練でまず試してみようと言うことだ。」と説明されました。

そうこうしているうちに、10分の休憩時間が終わってしまったので、男子は六尺の増し締めや締め直しを行わずに、前袋の布を広げて形を整えただけで、中級者、上級者それぞれの区画に分かれて、3コマ目・30分間の訓練が始まりました。

中級者区画では、白帽赤線1本組の男子、女子、白帽赤線2本組の女子,男子の順で一列になり、区画の壁に沿って蛙足平泳ぎで、反時計回りにぐるぐる回游しました。とにかく出来るだけ足を着かず隊列も崩さないようにして、30分間泳ぎ続けることを求められていたので、ちょっとでも足を着くと、中級者区画の副指導教官であるHr先生と、女性の体育講師先生から、2mくらいの竹竿の先にソフトボール大の白い玉を付けた指導用の棒(「尻叩き棒」と呼ばれていた。)でお尻を叩かれて、「Sb、足を着くんじゃない。

と大声で注意されました。

中級者区画では、全員が途中で多かれ少なかれ足を着きながらも、とにかくペースを合わせて何とか30分泳ぎ続けることが出来ました。ようやく3コマ目の訓練が終わった時には、全員ヘトヘトになっていたので、プールから上がる階段は女子優先になって、男子は全員プールの縁に両手をついて身体を引き上げ、どうにか岸に上がりました。

やっとの事で岸に上がったとき、私の白褌は前袋が中に寄ってぐっと狭くなっていて、陰毛がほとんど見えている上に、少し前屈みになると大きく弛んで肌と隙間が出来て、長時間水中に居たために小さく縮んだチンコと金玉が、完全にはみ出しそうな状態でした。他の男子の前袋も皆似たり寄ったりの状態でしたが、初めて30分泳ぎ続けて全員ヘトヘトになっていたので、とにかく呼吸を整えるのに一生懸命で、前袋の状態に気を回す余裕がある者は一人も居ませんでした。

休憩時間が残り少なくなったころ、中級者区画指導教官のI先生とT先生が、

「さあ、もう少しで休憩時間は終わりになるぞ。全員水泳帽の紐をきちんと締め直し、男子は各自フンドシの前袋の形を整え、女子は水着をきちんと直して、次の訓練の準備をしろ。男子のフンドシは、全員今の状態ならまだ次の訓練の間は何とか保ちそうだから。まだ増し締めをしてはならん。

よし、準備が出来たら訓練を再開するぞ。さっきと同じ順番で水に入って、間隔を取って泳ぎ始めろ。

繰り返しになるが、男子は、泳いでいる途中でフンドシが外れても、そのまま最後まで泳ぎ続けろ。フンドシはワシらが鈎竿で引き上げておくから心配するな。

と、厳しい声で指示されました。

中級者区画の男子14人は、慌てて前袋の布を広げて格好を整えると、緩んでいる褌の横ミツを腰骨の上まで引き上げてから、次々に水に入って泳ぎ始めました。最初に水に入っていく赤線1本組男子の褌の様子は、全員後縦ミツがかなり弛んでおり、先頭で水に入った六尺褌初心者Q君の褌は、後ミツがひときわ大きく弛んでいました。

隊列最後尾の私が泳ぎ始めて15分余り過ぎた頃から、赤線1本組女子のスピードが目に見えて遅くなってきました。このため、隊列最後尾の私と隊列先頭のQ君との間隔が段々詰まってきて、やがてQ君の気配が私の直後に迫ってきた途端に、彼は勢いよく私に追突してしまいました。

Q君に追突された私は、疲れていたために泳ぐ速度を速めて衝撃を緩和することが出来ずに、足を着いて立ち上がってしまいました。前をよく見ずに泳いでいたQ君も、私に追突して初めて気付いたようで、その場に立ち上がりましたが、立ち上がるために前に振った手が、私の褌の後横ミツを掴んで下に引っ張る形になったため、辛うじて持ち堪えていた私の後横ミツの巻き付けが解けてしまい、褌は完全に外れて水面に浮き上がってしまいました。

Q君の後を泳いでいた赤線1本組男子3人も、直前しか見ずに必死で泳いでいたので、次々に玉突き追突をした結果、足を着いて立ち上がるときに前の者の後ミツに手をかけて下に引っ張ることになり、Q君とその後ろの赤線1本組男子2人の緩みきった褌も、完全に外れてしまいました。

この珍事を見たH先生は、取り合えず中級者全員に泳ぐのを止めさせると、

「4人の六尺が一斉に解けて外れてしまうとは、全く考えていなかった事態だ。だが、先ほど指示した内容は、どんな事態であれ守らねば他の者に示しがつかん。

今六尺が外れた4人は、残りの時間は素っ裸で泳ぎ続けろ。お前たちの六尺は、さっき指示したとおり先生の方で回収しておくからな。

ここからはSbが先頭に立ち、その後ろにQ以下の白帽赤線1本組が続け。Sbは、最後尾と2身長以上間隔を保って泳ぐようにしろ。Qは、前をよく見てSbに追突しないように泳げよ。お前にフンドシの締め方を教えてくれたSbに、これ以上迷惑をかけるんじゃないぞ。

よし、残り10分間全員しっかり泳げ! 総員、泳ぎ方始め!

と、厳しい厳しい声で命令されました。

白褌が外れてしまった私は、小学生4年生以来のフリチンで泳ぎ始めましたが、泳いでいるとチンコと金玉が水圧でフラフラするし、腰回りを引き締めていた褌の横ミツがないので腹に力が入らず、先頭に立って速度を一定に保ちながら10分間泳ぎ続けるのには難渋しました。

残り10分間を泳ぎ終わったときに、私は本当にヘトヘトになっていましたが、プールから上がる梯子は今回も女子優先になったので、もう女子にチンコと金玉を見られても良いと覚悟を決めて、男子の先頭グループに混じってプールの岸に両手を掛け、残った力を振り絞って体を岸に引き上げました。

私に続いてQ君も岸に上がってきましたが、彼以外の赤線1本組2人は恥ずかしがって岸に上がって来ませんでした。業を煮やした副指導教官のHr先生は、六尺組のMk君とSa君に手伝うように命じると、各々が水中に居るフリチン2人の腕を掴んで強引に岸に引き上げました。私たち水中で褌が外れた4人のほかに、それまで辛うじて持ち堪えていた褌が、水から上がるときにずり落ちてしまって、フリチンになった者が2人いました。

フリチンで泳ぎ続けた中級者4人が全て岸に上がったところで、中級者指導主任のT先生が、回収してあった白褌を各人に返して下さいました。

我々4人がフリチンのままで一人ずつ白褌を返してもらっている間、I先生とH先生が他の中級者男子の褌の状態を手分けして確認されました。その結果、ほとんど全員の褌が解ける一歩手前の状態だと認められたので、中級者男子全員が褌を一度解いてから締め直して良いことになりました。

上級者男子では、泳いでいる途中で褌が解けた者は居なかったようですが、水から上がるときに数人の褌がずり落ちて外れてしまい、それ以外の者の褌も大多数が解ける寸前だったので、こちらでも全員が褌を一度解いてから締め直すことになりました。

この日の訓練では、人員確認を容易にするため、男女が同じ校舎側のプールサイドに集まることになっていたので、男子が褌の締め直しを始める前に、女子は左右のスタート後方に移動するように命じられました。

女子がスタート台の後に移動したところで、中級者指導主任のT先生と上級者指導主任のM先生が、

「男子はこれから六尺フンドシの締め直しを始める。総員2分以内に締め直せ。かかれ!

と、大声で命令されました。

男子全員これまでにない長時間を泳ぎ続けてヘトヘトになっていたので、女子が今までより近くに居て、フリチンになったら見られてしまうことまで気が回らず、とにかく今にも外れそうな褌を解いて早く締め直さなくてはという一心で、その場で褌を解くと大急ぎで一枚布の形に広げて、出来るだけ固く締め直しました。

少し早めに褌を締め直し終わった私が、ふとスタート台の方を見ると、女子の半数近くが一見そしらぬ顔をしながら、その実興味津々で、男子が褌を締め直すのを見ていることに気付きました。早く褌を締め直し終わった六尺組の他の仲間も、女子の態度に気が付いたようでしたが、ここで騒ぎ立てると女子に軽く見られると思って、みんな気が付かないフリをしていました。

ほとんどの男子が褌を締め直し終わったところで、体育主任のH先生が、

「この後整理体操代わりに、全員15分間泳がせるつもりだったが、ほとんどの者が疲労困憊で、これから泳がせるのはとても無理のようだ。よって、今日の水に入っての訓練はここまでとする。

全員、名札掛けに掛けた『命札』を取って首に掛けろ。人員確認の点呼をしてから、整理体操として水泳体操を行う。男女それぞれ現在位置で、クラス別に体操の隊形をとれ。

と、厳しい声で指示されました。

ほとんどの者が、初めての30分間連続泳ぎの繰り返しでヘトヘトになっていたので、動作にメリハリを欠いている者が多く、体操の間中指導教官の先生方から厳しい叱責が飛んでいました。何とか約10間の水泳体操が終わったとき、男子は全員辛うじて立っていましたが、女子の中にはその場に座り込んでしまう者も出ていました。

整理体操が終わったところで、初日の訓練は終了となりましたが、解散に当たってH先生から、

「今日の訓練は、最後が尻すぼみになったが、明日は計画に従ってきちんと2時間半泳がせるから、その覚悟で来てくれ。本番の臨海水泳訓練では、午前にもほぼ同じ時間泳がせる予定だから、あと三日間の訓練でしっかり泳ぎ込んで、2時間半続く訓練のリズムに体を慣らしておくことが大切だぞ。

と、注意がありました。

これまでの正規授業としての水泳訓練と同じように、まず女子がシャワーの下を通ってプールサイドから退出し、その後に男子が続きました。いつもの癖で最後尾に並んでいた私たちC・D組の六尺組が、もう少しでシャワーの下に入ろうというところで、それまで体育副主任のN先生と話し合っていらしたH先生が、突然私たちに向かって足止めの声をかけてこられました。

このあと、長時間続けて泳ぐ場合の褌の締め方について、指導教官の先生方と私たち六尺組との間で、ちょっとしたやり取りがあるのですが、これについては締め方の違いを具体的に図示しないと理解しづらいと思いますので、次回に記すことにいたします。

運営者より
海どじょうさん,こんにちは。今回も長文のご投稿をどうもありがとうございます。今回はいつもと違って,いかに締め直しをせずに泳ぎ続けることができるか,というお話ですね。なるほど本番の臨海訓練ではなかなか締め直しができませんから,事前にそこまで訓練したわけですね。お話の続きが楽しみです。今後ともよろしくお願いします!

投稿 40: 2017/10/13
ハンドルネーム
けも
年齢 性別 職業 居住地
19歳 男性 大学生 東京都
表題
ふんどしを締めての銭湯・温泉
本文

ふんどしを締めてる方で、1度は銭湯や温泉などの公共施設での着替えはどうするかという問題に直面したことがあるかと思います。

私はテニスサークルに入っていて、サークルの帰りによく近場の大きな銭湯に汗を流しに行きます。私はいつも越中褌を締めていて、もちろんサークル中も締めているのですが、サークルの終わった後に私服に着替える時、その際、銭湯へ行く日は越中褌を解き、ボクサーパンツを穿いて行きます。理由は率直に、人の視線が気になる、人の視線が怖いという理由です。1度越中褌を締めて行った時はとても白い目、怪奇な目で見られたのが若干トラウマで、それからほとんど越中を締めて行っていません。

しかし、やはりパンツを持って行ったり着替えたりと面倒な点。そして、自分の好きな越中褌ともっと生きやすく、いつでも締めていられるように、トラウマの克服、またふんどしと銭湯について色々実験に行きました。

実験の内容としては、まず更衣室へ入り、上とズボンを脱ぎ、越中一丁になってから、服を畳むなどして、少しの間越中一丁の時間を作り、周囲の反応を見るというものです。

結論から言いますと、ふんどしによって様々な反応の違いが見られました。まず白やピンクなどの淡い色・白っぽい色の越中、こちらはとても見られました。何故なのか理由を色々考えてみましたが、恐らく白系の色は目立つというのと、白い下着はあまり無く、あるとしたら白ブリーフが有名なので、そこら辺で見られたのかな、と思いました。次に、黒や紺などの暗い色の越中、こちらは白系よりもあまりジロジロと見られませんでした。暗い色はあまり目立たないという点、そして黒ボクサーなど、黒系は下着としてポピュラーな色なので、近場の人以外からはあまり見られませんでした。柄物に関しては上記と同じで、白地に金魚などの柄が描いてあるものは目立ち、黒地にチェックなどの柄が入っているものはあまり目立ちませんでした。ちなみに、六尺を締めた友人と行った時は、色関係なく物凄く目立ちました。お尻が見えている点と、締めるのに時間がかかる点、それから締めるのに手順が多い為目立つ、という点があり、メンタルの強い方じゃないと少し六尺は厳しいかな、と思いました。越中は締めるのは慣れれば一瞬で締めれるので、その点はまだ六尺よりマシかなと思いました。

また、更衣室に入ってズボンを脱ぐ際、越中の紐を解き、ズボンとパンツを一緒に下げる感覚で脱ぐと、越中を見られずに済むのであまり人目を気にしなくていいことが分かりました。締める際はどうしても人目に触れるのですが、先にズボンを履いてある程度の高さまで上げ、その状態で越中を締めると、比較的バレずに締めることができました。ただ、手間はかかりますが普通にズボンだけ履いてトイレへ行き、そこで締めるのが確実かな、と思いました。

ふんどしを常用してると、同じような仲間の友達たちと、中々こういった銭湯や温泉には行きづらかったのですが、ある程度慣れたのと、平穏に着替えるの術を身につけたので、今度は友人達といつも通りふんどしを締めて、普通の人のように銭湯へ行きたいなと思います。

運営者より
けもさん。お久しぶりです。お元気ですか?今回は興味深い実験レポートをありがとうございます!なるほど,白系は見られやすく,黒系は見られにくいのですね。面白い結果です。私はスーパー銭湯に行った際は越中を隠しませんが,これまで全くと言ってよいほど見られたことがありません。気づいていないのかと思うほどの完全無視です。東京と広島という地域差もあるのでしょうが,けもさんはお若いから「お,若い子がふんどししてる」と見られるのかもしれません。私も子どもに「あ,あの人変なパンツ穿いてる」と一度ぐらい言われてみたいのですが,全く無反応で一度も言われたことがありません。今後ともよろしくお願いします!

「ふんどしの証言」コーナーでは皆様からのお便りをお待ちしております。

ふんどしがまだ現役であった頃や,現在も現役として活躍している場のさまざまな事情について,お便りをお寄せください。

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